娘が小さい頃に、病院主催の親の勉強会に参加していました。12回の講義に出席して、たくさんの話を聞きました。
その中で特に印象的だった言葉は「どんなに障害が重い子であっても、その子に分かる方法で因果関係を教えてあげてください」ということでした。
いくら親がいくら良かれと思っても、伝えても分からないと思っても、説明する大切さを教えてもらいました。
今回は、因果関係のワークシートを見つけたので紹介させていただきます。
- 物事には【原因→結果】の関係性があることを理解する
- 原因と結果が結びつくことで「どうして」という理由の説明ができる
- 自分の行動を選択し、衝動や欲求をコントロールすることにつながる
- 全部で36のワークシートがある
ことばの発達ワークシート
中々見ないタイプのワークシートですね。コロロ発達療育センターから出ている本です。
きっかけ
私は今までhakuに文字や絵を見せて説明してきました。しかし「AだからB」などの接続詞を使って説明してきただろうか?そこまでパターン化して説明してきていないのかもと思い直しました。
自閉症の人は、定型文やパターン化した表現の方が伝わります。改めてどこまで分かるか知りたのと、分からなければ、この本で少しでも理解できればという思いで使ってみることにしました。
コロロ発達療育センターとは
1983年から自閉症や発達障害の人向けの療育をはじめられたようです。成人の生活介護やグループホーム・短期入所・相談室などがある大きな福祉法人で、子ども向けの教室や放デイもあり、講演会や研修会も行われているそうです。
①因果関係と理由編
ワークシートの使い方
目の前にある現象と言葉で説明できたとしても「どうして」と理由を質問されると、答えられない子どもは少なくありません。理由を答えるためには、物事には「原因→結果」という関係性があることを理解する「因果関係」の学習が不可欠です。原因と結果が結びつくようになったら「どうして」という「理由の説明」ができるように学習を進めていきます。
引用:ワークシートの使い方
- 1~2行のの文の読み書きができる
- 形容詞や副詞の言葉を使って文を作ることができる
- 5W1Hの質問に答えることができる
この3つの学習ができていれば、小学校低学年から大人の方まで広くお使いいだけます。
基本編・中級編・発展編へと
- 身近にある21シーンの絵を見て「原因 だから 結果」という文章を覚えていく
- 「どうして~ですか?」に「~だからです」と答える
- 答えがパターン化しないように問題形式を変える
- 基本パターンに複数の答えができるように
- 「だから=~する」「でも=~しない」と順接と逆接のパターン
- 順接と逆接を用いて、様々な因果関係に答える
- AだからBするとC AだからBけれどC というように3つの連続する関係性を整理できるように
事柄の関係性を言語化することで、自らの行動を選択し、衝動や欲求をコントロールすることにもつなげていきます。
言葉で感情をコントロールしていくことは、本当に大事なことだと思っています。
②ボディイメージ編
同じシリーズの②ボディイメージ編もあります。
言われた通りに体を動かせない、体の痛みや不調をうまく伝えることができないなどの子どもは少なくありません。身体認知力を身に付けるには、体の部位や動作についてスモールステップで学習していくことが欠かせません。このワークシートで身体認知能力を身に付けることにより、体や言葉をコントロールする力が高まり、適応行動につながります。
引用:ワークシートの使い方
こちらの本もすごくいいです。hakuは体の痛みを言うことはできるのですが、どんな感じで痛いのかなどは言うことができません。この本は絵を見て体の動作や副詞の表現を学ぶことができます。
生活動作の手順を書いたり、ジェスチャーで表現したりと日常生活に応用が利くものばかりです。
こういうワークシートが欲しかった☆
時計がよめるワークシート
時計のワークシートもあるようです。スモールステップで学べるようです。hakuは時計が読めるのでこちらは紹介まで。
実際に使ってみて
接続詞に注目できる
〇〇だから〇〇と接続詞に注目できるようになりました。
今までは「かわいいの。これ。」とか「かわいいから~」と曖昧な表現だったのを「かわいいからこれにする」と、考えて言えるようになりました。その方が相手に正しく伝わりますし、整理して考えられるようになります。パターンで覚えるのって大事だなぁと思いました。
「どうして」に「~から」と答える
今まで「どうして」という質問に答えることは難しかったのですが、「~から」とつければいいのは分かったようです。これを定着させるには時間がかかると思いますけど(・∀・)
工夫
hakuの場合ですが、文字は書けて読めるのですが、書くということに結構負荷がかかる子だとSTの先生から教えてもらいました。先生からは書くところを少なくするか、本人が話して周りが書いてあげることで、負荷が下がって本来の目的を果たしやすいというアドバイスでした。
家では①本人が答えたことを代わりに書くか ②答えを用意していて選択させる方法を取りました。
まとめ
今回はココロメゾットの言葉の発達ワークシートをご紹介しました。
スモールステップと反復練習が、障害のある子にぴったりのワークシートです。
日常生活に定着していけたらいいなぁと思っています(*‘∀‘)
気になる方は是非使ってみてください。