負けることが苦手な子は、わりと多いのではないかと思います。
hakuの場合、負けて悔しいのはもちろんあると思いますが、「勝つか負けるか分からない不安定な状態も怖い」というのがあるようです。
負けるということは、娘にとっては「失敗」と同じです。
しかし、失敗しない人生はありません。失敗に慣れさせないといけないと思っていました。
そんな時に、この本にヒントを得ました。
この本では、カードゲームをおすすめしていたのですが、娘はトランプで、ババ抜き、七並べ、神経衰弱などの簡単なゲームはできますが、それほど好きではありません。飽きてすぐにやらなくなると思いました。それなら新しいゲームの方が気持ちが乗るのでは考えました。
こういう勝ち負けが出るゲームは、小学生の間はできなかったと思います。娘なりに成長して、ようやくやってもいい「許容範囲」に入ったのだと思います。
購入してよかったゲームをご紹介します
すごろくゲーム【果樹園ミニ】
ドイツの会社、HABA(ハバ)社のゲームです。取扱説明書は日本語でも書かれています。
HABA社のゲームは値段は高いですが、材質がしっかりしていて、簡単に破けたりしなく安心して遊べます。
特徴
- 1~4人
- 所要時間 約10分
- 全員で協力して、カラスが到着してしまう前に、果物を収穫するゲームです
- みんなで協力してできるゲームです
- 収穫前にカラスが到着してしまうと終わりです
- 数字が分からなくてもできます
果樹園ミニは、ミニというだけあり、移動中にもできることを考えられて、全ての部品が小さくできています。
果樹園ミニは、「はじめてのゲーム果樹園」のミニバージョンです。誤飲の心配のある子や、小さい物をつまむのが苦手なお子さんは、こちらの方がよいと思います。
準備
- 4つの木の上に、それぞれ果物を4つ置きます。
- 果樹園に続く道のタイルを並べます。
- 果樹園から一番遠い道タイルにカラスを置きます。
サイコロ
サイコロは1つです。
赤・黄色・緑・青の色が出る時は、その色の果物を1つ収穫します。 もし、その色の果物が収穫されていたなかった場合、次の人がサイコロを振ります。 | |
カゴの目が出た場合は、好きな果物を1つ選んで収穫します。 | |
カラスの目が出た場合は、カラスを1マス進めます。 |
遊び方
このゲームは全員が仲間となって、カラスが来る前に収穫し終えると、勝ちというゲームです。
順番にサイコロを振り、果物を収穫していきます。
カラスが到着する前に、全ての果物を協力しあって収穫していきます。
全ての果物を収穫し終える前に、カラスが道タイルを移動し、果樹園に入ってきてしまうと負けになります。
このゲームのいいところ
みんなが仲間
勝ち負けはカラスとの勝負で、誰か1人が負けるわけではないところが、勝ち負けの練習にはいいのではないかと思います。
難易度を調整できる
カラスの道タイルを増やしたり、減らしたりして難易度を調節することができます。
娘の様子
娘は聴覚過敏でカラスが苦手で、カラスが迫ってくると、ゲームといえどドキドキするようで、「きゃーカラス」と盛り上がっています。ほどんどの果物を収穫して、残り1種類の果物が残った時は「あか、あか、あか」と念じて、サイコロを振っています。ゲームが終わると「もう一回やる」と10回はやっています。
はじめてのゲームにいいと思います
すごろくゲーム【雲の上のユニコーン】
ドイツの会社、HABA(ハバ)社のゲームです。取扱説明書は日本語でも書かれています。
特徴
- 2~4人
- 所要時間 約10分
- クリスタルを一番多く集めることが目的です
- 早く上がった人が勝ちではない
- 数字が分からなくてもできます
私は黄色い箱のを買ったのですが、ピンクの箱も中身は同じみたいです。(ピンクの箱が日本版かな?)
「デラックス」タイプもあって、こちらも黄色とピンクの箱があるみたいです。
準備
- 3枚のボードをつなぎ、真ん中に置きます
- ボードの左上がスタート地点、右下がゴール地点です
- 各自ユニコーンを選びスタート地点に置きます
サイコロ
サイコロは2種類あります。
水色 | 水色のサイコロを振って、その雲の絵の数だけ進みます。 |
ピンク | ピンクの雲のマスに止まったら、このサイコロを振り、 出た目の数だけクリスタルをもらうことができます。 |
マス
マス | 特徴 | マスの数 |
---|---|---|
ピンク雲 | ピンクのサイコロを振ることができます。 | 9 |
紫雲 | 脇に置いてあるクリスタルを1つ誰かにあげます。 | 3 |
虹のワープ | 虹の行く先まで進むことができます。 | 3 |
遊び方
誰かがゴールしたらおわりのゲームです。
サイコロの目がちょうどでなくても、ゴールできます。ゴールにクリスタルの絵が4つ描かれていて、ゴールした人がクリスタルを4つもらうことができます。
ボードを裏返して数を数えます。数字が分からない子でもできます。
簡単ルールverもあり
説明書には、簡単ルールも載っています。
ピンクのサイコロを使わずに遊びます。
ピンクの雲に止まった時は、クリスタルを1つもらいます。
このゲームのいいところ
1番にゴールした人が勝ちではない
多くのゲームは早く上がった人が勝ちというものだと思います。このゲームは1番に上がっても、クリスタルの数が多い人が勝ちなので、ゴール地点でクリスタルを4つもらっても勝つとは限りません。
「早い人が勝ち」というルールじゃない物もあると、教えられるところがいいなぁと思っています。
娘もはじめは「急いで上がろう」と気持ちが急いてやっていましたが、数の多さだと気付いて、落ち着いてゆっくりサイコロを振っています(*‘∀‘)
誰かにあげる気持ち
紫雲のマスにとまると、誰かにクリスタルを上げます。「与える」を自然と教えられるゲームです。
人に何かを与えようと考えられえる人は幸福度も高いといいます。私も、与えられる側の人間であり続けたいと思っています。
娘の様子
このゲームは簡単で分かりやすいですし、ユニコーンもかわいいく、短時間で終わり見通しもつきやすいため、お気に入りのゲームとなりました。
負けても悔しがりますが、怒ることはないです。
カードゲーム【レシピ】
ホッパー社のゲームで、スイーツ以外にも、定番レシピ、和食レシピ、ワールドレシピなど19種類のレシピカードがあります。
特徴
- 2~4人
- 1プレイ5分~
- メニューカードに載っている具材を6枚集めるゲームです
- 1番はじめに6枚全てそろった人が勝ちです
- 定番料理・和食料理・スイーツなど様々な種類があります
参考:ホッパー製品情報
準備
- [キッチンカウンター]カードを人数分配置します。
- [具材カード]を1人6枚ずつ裏返して配ります。
- 残ったカードの束は裏返したまま真ん中に置きます。
- [メニューカード]を1人1枚ずつ引きます。カードに描かれている具材を集めていきます。
- 配られた時点でそろっている具材は裏返しのまま、キッチンカウンターに置きます。
メニューカード
遊び方
- 順番を決めます。
- 順番がきたら、必要のない具材を表のままテーブルの真ん中❺に置き、裏返していた束❹から1枚引きます。
- 引いたカードに必要な具材があれば裏返して、[キッチンカウンター]➌に置きます。
- そうでない場合は、手元に持っておきます。
- 他のプレイヤーが❺に捨てた具材が、自分が集めている具材だった場合「レシピ」と宣言し、その具材をもらうことができます。その際、他のプレイヤーの順番を飛ばし自分の番にすることができます。(複数のプレイヤーが同じく「レシピ」と宣言した場合、順番で1番最初に回ってくる人が優先されます)
- カードを取った後は、➌に置き、不要な具材を❺に出します。
- その後はレシピ宣言した人の、次のプレイヤーから再開となります。
- あと1種類でメニューが完成する状況となると「ごはんですよ」と宣言します。
- 全てメニューがそろうと「できあがり」と宣言します。
このゲームのいいところ
このゲームは実は、言語聴覚士の先生との個別療育でもやったことがありました。その時も、本来ならカードを裏にして置くのですが、表に見せて置き、娘が勝ちやすいようにやっていたので、家でも全て表向きに置いてやっています。
勝ち負けをある程度調整できる
実は具材カードの枚数がそれぞれ違うので、どのメニューカードを選ぶかで難易度が変わります。
たまご・薄力粉・バター・生クリーム・コーンスターチ・ラム酒は、それぞれ3~8枚と複数枚あるのに対し、ラズベリー・ブルーベリー・チョコレート・ブランデー・クリームチーズ・レモン・はちみつ・みかん・くり・パイ生地・洋梨は1枚ずつしかありません。
そしてメニューカードの中には、その1枚しかない具材カードが2つあるカードが3枚あります。
つまり、レモンチーズケーキ・ミックスベリーパンケーキ・チョコレートケーキはカードをそろえるのが難しいのです。
本来のルールではメニューカードも選べませんが、娘が楽めるように、メニューカードを各々自分で選び、私達夫婦は選んでいるフリをして、上の難易度が高いメニューカードを選んでいます。
そして、夫婦でお互い1枚しかない具材カードを、最後まで捨てずに持っていれば、私たちが勝つことはできないため、娘が勝つ割合は増えると思います。
それでも運の要素はあるので、必ず勝てるわけではありません。
娘の様子
娘がなるべく勝てるようにしていますが、運悪くというか、娘のカードの引きが弱く、中々勝てないこともあります。
悔しがったりしていますが、運悪く負けることもあることを受け入れることができています。
すごろくゲーム【パカパカお馬】
ドイツの会社、HABA(ハバ)社のゲームです。取扱説明書は日本語でも書かれています。
特徴
- 2~4人用
- 所要時間 約10分
- 3つの応用ルールがある
- 放牧場から馬小屋へ自分の馬を帰らせるゲーム
- 2つのサイコロを同時に振り、どちらか目を自分の判断で選ぶことができる
- パズルボードに7つの道具を入れて完成させないとゴールできない
- 周りの状況を見ながら、自分の行動を考えることができるところが面白いと思います
準備
- 折りたたまれたゲームボードを広げ、真ん中に置きます
- 各自に穴の空いたパズルボード(画像左)を配ります
- 自分の馬を選んで、スタート地点に置きます
- サイコロを2つと、道具を用意し準備完了です。
サイコロ
サイコロは2種類、赤と青のサイコロがあります。
1から3まで、マスを進むことができます | |
人参、蹄鉄、バケツ、袋の目が出ると、その道具をボードにはめ込みます。 ☆の目は、好きな道具を1つはめ込みます。 |
遊び方
1人ずつ時計回りの順番に、2つのサイコロを同時に振ります。
2つのサイコロの目を見て、どちらか1つのサイコロの行動をします。
①赤いサイコロ:馬を進める
②青いサイコロ:道具をボードにはめ込む
注意:パズルボードに全ての道具をはめ込まないとゴールすることはできません。
最初にゴールをした人が勝ちです。
①簡単ルール
2つのサイコロの指示に両方従うようにすると、簡単に遊べます。
②障害レース
ゲームを始める前に1本か2本ハードルを道中に置きます。
馬を進める時に、このハードルを越えなければいけなません。
・ハードルの前のマスに馬がいる場合、2以上を出さないと前に進めず
・ハードルの2マス前に馬がいる場合は、3を出せば超えることができます。
③サイコロ1つ
自分の番の時に、先に2つのサイコロ内、どちらか1つだけを選んでそれを振ります。
このゲームのいいところ
難易度を選べる
さきほど紹介したように、遊び方が4つあるところが、その子のレベルにも合せられますし、飽きずに遊ぶことができるのではないかと思います。
自分で考える
基本ルールの場合は、サイコロを2つ振って、どちらの目を選ぶかは自分で決めなければいけません。運に左右されるゲームですが、周りの状況を見ながら、進むのか道具を集めるのか、自分で考え、その結果を受け入れなければいけません。
自分で考える選択があるところが、面白いゲームだと思います。
娘の様子
娘ははじめ、パズルボードに全てはめ終わらないと、進まないという選択をしていました。中途半端なパズルボードで進むことが嫌だったようです。それでも勝つことはあるのですが、ある程度進んでもおかないと勝つことができないと分かり、悩んで考えてゲームをするようになりました。
パズルボードに入れる道具は小さいため、遊び終わった後は、ジップロックなどにいれて紛失を防いだ方がいいと思います。
まとめ
今回は、負けることに慣れさせるために、わが家で遊んだゲームをご紹介しました。
お子さんにあったゲームを探してみても面白いと思います。
ゲームを通して学べることはたくさんありました。
- 順番を理解する
- 感情のコントロールを学ぶ
- 自分勝手にやっては楽しくない
- 自分のことだけではなく相手のことも考えるようになる
- 人と感情(楽しい・ドキドキ・ハラハラ)を共有できる
他にもあるかも知れません。
今は週末に遊んでいるのですが、以前のように負けて悔しくて泣くということはなく、楽しんで遊べるようになりました。負けが納得いかない時は「もう一回」と勝つまでやるときもあります。家族でゲームを楽しめる日がくるとは思っていなかったので、本当に嬉しいです。
ゲームは運の要素が大きいので、負けてもいいと思えるまで、慣れさせたいと思っています。