発達障害の特性の一つに聴覚過敏があります。
娘にも強い聴覚過敏があります。今回は娘の経験をもとに、支援学校や周囲から聞いた聴覚過敏の話や、娘の聴覚過敏対策、使っているグッズなども話すことで、聴覚過敏で悩まれている方の何か1つでも参考になればと思い書いてみました。
聴覚過敏とは
聴覚過敏とは言葉の通り、聴覚に関する過敏さのことですが、人によってその特徴はさまざまです。
聴覚過敏の特性(特徴)は、その名の通り、聴覚(音を感じる感覚)がとても過敏になるということです。たいていの人が聞こえないような音が聞こえたり、多くの人にとっては苦にならないような音に対して苦痛を感じたりします。
また、人によっては、他の人に比べて音量が大きく感じたり、痛みを感じる場合もあります。
他にも、周りの雑音が耳に入ってしまい、特定の音に注意を向けることが難しいといった困難を抱える方もいらっしゃいます。その結果としてストレスを感じやすく、イライラしたり機嫌が悪くなったりすることがあるかもしれません。
感覚過敏の中でも、聴覚過敏は特に日常生活に与える影響が大きいと考えられます。私たちは様々な音に囲まれて生活しており、突然の音や身の回りの雑音などを全て予測したり回避したりすることが難しいからです。
したがって聴覚過敏があると、生活の中で嫌な場面、混乱させられる場面が多くなると思います。
ただし、すべての音に対して苦痛を示すわけではありません。自分が許容できる音もあれば、特定の好きな音や嫌いな音もあります。
このように、個人間で音の捉え方にはバラツキがあるのと同様に、聴覚過敏の特性(特徴)は人それぞれ異なります。
引用元:LITALICOジュニア 聴覚過敏とは?特性や原因、対策を解説します【専門家監修】
>周りの雑音が耳に入ってしまい、特定の音に注意を向けることが難しいといった困難
というのは娘にもあって、行事の時など人が多いザワザワしている場所では、音声は届かないことが多いです。このことが、どのように聞こえるかは、以前動画でもご紹介しましたので、そちらを是非聞いてみてください。
こういう場面では、娘に言葉はかけずに、文字を見せてやり取りをしています
【実例】聴覚過敏のある子の苦手な音
娘以外にも、聴覚過敏のあるお子さんに多く出会ってきたのですが、本当に人それぞれ苦手な音が違ったり、逆に大丈夫な音も人によってだいぶ違いました。
- 自動販売機のモーター音
- 大型トラックのエンジン音
- 運動会のピストル音
- 学校のチャイムの音
- 家電製品の音(テレビ・ドライヤー・掃除機・冷蔵庫・食洗器・エアコンなど)
- シャワーの音
- 赤ちゃん、子どもの泣き声
- 声がかん高い人・子どもの声
- 人の叫び声・怒鳴り声
- しゃっくり・咳・くしゃみ・ため息の音
- 犬・カラスの鳴き声
- 非常ベルの音
- トイレのエアタオル・音姫
- トイレの水を流す音
- ゲームセンターの音
- 合唱の練習時の不協和音・人の歌声
- 楽器の音
- 救急車・消防車のサイレン音
- 予期できない突然の音
こうみてみると、音が全てダメなように思われるかも知れませんが、自分の好きな音楽や音は、大音量でも大丈夫な子が割と多いようです。
娘も好きな音楽は大音量で聴いています
聴覚過敏の診断?
以前「聴覚過敏の診断ってあるの?」と聞かれたことがあるのですが、発達障害の診断がおりていて、かつ聴覚の過敏さもあるのなら「聴覚過敏もあるんだね」という感じで、特別に検査や診断をしたという話は聞きません。
聴力検査は異常なし
わりと聞くのは、話しかけても反応がないので、「耳の聞こえ」が悪いのかと思い耳鼻科で聴力検査をしたけれど異常はなかった。その後、発達障害が分かり聞こえていないのは、言葉の聞き取り力が弱かったことが原因というものです。
娘の聴力検査
娘も聴力検査をしたことがなかったのですが、当時娘が支援学校に通い始めた頃に聴覚過敏に対して、支援学校の先生も特性は理解はしているけれど、集団に入ると全く配慮がさなく、娘が怖がる場面をよく見ました。詳細は省きます。
そのことをST(言語聴覚士)の先生に相談すると、検査をして数値で見える化することで、学校の先生にも「配慮の重要性」をわかってもらいましょうということで検査をしたことがあります。
検査は次の3つの項目です。
- 一般的な聴力検査:異常なし
- 語音明瞭度検査:異常なし
- 言葉の明瞭度(弁別能力)を測定する検査で、ヘッドフォンから流れる語音を聞いて、その通りに発音または紙に書いて回答します
- 40db普通の話し声の聞き取りで正答率100%
- 語音明瞭度検査+雑音の追加
- 45dbの雑音追加:受入れ可能 正答率100%
- 50dbの雑音追加:集中が困難になり検査不可能に
- 50dbは「静かな事務所」と同程度の雑音レベル。大抵の人が無視できる大きさの雑音でも、集中を欠くレベルだとわかる
20db | 木の葉の触れ合う音 | 60db | 走行中の車内 |
30db | 郊外の深夜 | 70db | 騒々しい事務所 |
40db | 図書館 | 80db | 電車の車内 |
50db | 静かな事務所 | 90db | 犬の鳴き声 |
検査結果を提出したことで、集団内でも場面に応じた配慮がされるようになりました
聴覚過敏に気づくのは周囲
聴覚過敏のある子どもの多くは、音に驚いたり、怖がったり、耳ふさぎをすることで、周囲の大人が聴覚の過敏さに気づくことがほどんどです。本人は生まれつき聴覚過敏なため(正常の聞こえ方を知らずに育つ)、「音が聞こえ過ぎて困ってる」と自分から大人に相談することはまずありません。
健常者で聴覚過敏のある人たち(HSPといわれる繊細さん)もいますが、その方たちも生まれつきの過敏さで育ってきて、大人になるにつれ周囲と自分との比較ができるから、自分は過敏なのだと気づくようです。
娘も赤ちゃんの時から、大きな音にびっくりしたり、眉間にしわをよせて不快そうな顔をよくしていました。(3歳の時には自閉症の診断が出ていたので)4歳には聴覚過敏がある子だと気づいていました。
感覚過敏とセンサリーメルトダウン
子どもが激しく泣き叫んだり、暴れまわったりするパニック状態のようになる場面に遭遇したことがありますでしょうか。
一般的には癇癪やわがままとして捉えられがちですが、実はそうではない場合もあります。感覚過敏の子どもは、過剰な感覚情報によって圧倒されてしまい、耐えられる情報量を超えて「コップの水が溢れるように」自分をコントロールすることができなくなってしまい、そのような行動をする時があります。それは癇癪とは異なる状況で、英語ではsensory meltdown(センサリーメルトダウン)として知られています。
引用元:感覚過敏研究所 感覚過敏によるセンサリーメルトダウン
癇癪は多くの場合、起こす目的があり、メルトダウンは本人も制御不能の状態をいうそうです。
娘は4歳から集団療育を始めたのですが、療育が終わって家に帰宅すると、玄関に入った瞬間に、まさに今まで我慢していたものを吐き出すように、まさにコップの水が溢れるように、30分以上立ったまま大号泣していました。今思うとメルトダウンだったのだと分かりますが、当時は本当にどうしていいか分かりませんでした。集団の中にはじめて入って、感覚過敏が許容量を超えたのだと思います。当時はイヤーマフもしていませんでし、慣れるまでは、毎回号泣が続きました。
LiD/APDの場合も
音は聞こえるのに言葉の聞き取りが苦手な症状の方を
LiD(聞き取り困難症)APD(聴覚情報処理障害(APD))という診断名もあるようです。
LiD/APDであるかどうかを診断するためには、様々な検査が必要です。日本ではまだ診断基準が定まっていないため、検査結果から総合的に判断することになります。
引用元:聞き取り困難症・聴覚情報処理障害(LiD/APD)医療機関を受診しよう
聴覚過敏に気づかれない子
私たち親は、聴覚過敏があると「手で耳をふさぐはず」「音に過敏に反応するはず」と思っています。しかし、中には聴覚過敏があっても、耳ふさぎも、音に反応しない子もいます。
- 音が耳から聞こえると分かっていないから、耳をふさがない
- もともと反応が弱いため反応や表出がない など
小学校高学年や中学生になって、支援者や学校の先生から「聴覚過敏では?」と言われて気づいた人もいます。
娘も耳ふさぎはしませんでした
今も耳をふさぐことはほとんどしません
音に驚く反応が多かったので気づきました
途中から聴覚過敏になる人?
私が知っているほどんどの子は、生まれつき聴覚過敏がある人が多いようです。しかし中には思春期以降に、聴覚過敏が出てきたという話も聞いたことがあります。
聴覚過敏があるのに大声を出すのは何故?
聴覚過敏があっても大声や自分の声をずっと出している人がいます。それは
- 苦手な音を自分の声で打ち消している
- 次にまたその音を聞きたくないため、自分の声を出して防いでいる
という人もいるようです
支援学校でも行事の練習時や参観日などは不安定になりやすい人が多く、ずっと声を出している人を見たことがあります。
自分で自分を守っているのですね
イヤーマフしない方がいい?
イヤーマフをさせたくないという話も聞きますが、私は二次障害や不登校になるくらいなら、使用した方がいいと考えています。
普通級にいて、周りの目が気になるとかなら、苦手な場面だけ耳栓などを取り入れてみるのはどうでしょうか。
娘の聴覚過敏には気づきイヤーマフも購入したのですが、イヤーマフの圧迫が強いのもあって、感覚過敏が強い娘は、なかなか嫌がってつけませんでした。
それでも放デイや家族の外出時では、つけることもできるようになりましたが、学校では、クラスにイヤーマフを付けている子がいないこともあって、持たせてもつけませんでした。学校で身につけることができたのは小学5年生からです。
小学3年生の担任にも、特に音がうるさくなる集団の場面でつけれるように声掛けをお願いしたのですが、「聴覚過敏があっても、つけないように我慢できているのだから、素晴らしいじゃないですか」という人でした。
視力が悪い子に「メガネかけないで見ててスゴイね」とは言いませんよね。イヤーマフもメガネと同じだと私は思っています。
色んな考え方の方がいるのは理解していますが、私は聴力過敏があると、普通に生活するだけで、体力が徐々に削られて、些細なことでイライラや情緒不安定になりやすくなり、不登校・不安障害などの二次障害にも発展することも十分あるため、対策は必要だと考えています。(実際娘は小4で不登校になりました。聴覚過敏だけが原因ではありませんが)
自閉症の当事者である小道モコさんの本を読むと、感覚過敏の世界がよく理解できます。感覚過敏の人にとって生きることとは、ジャングルの中を生き抜くサバイバルと同じです。
イヤーマフつけっ放しになる?
イヤーマフを一度つけたらつけっ放しになるのでは?と心配される方もいるようです。
私の周りの話ですが、家の中はつけない人が多いようです。娘も家ではほとんどつけていないです。掃除機をかけるときなど、家でも苦手な音の時だけつけています。
美容室どうしてる?
聴覚過敏のある人は、ハサミの音が怖くて髪を切れないという人もいるようです。娘は幸い大丈夫で美容室で髪を切ることができています。私の知っている対応策の話としては
- イヤーマフをしたまま切ってくれる美容師さんに切ってもらってる
- スモールステップでイヤーマフを外して、練習して短時間で切ってもらっている
- 耳栓をして切ってもらう
協力してくれる美容師さんは、支援学校にいるとママ情報で得られたりします。あとは相談室や事業所の職員さんも情報をもっている場合があるため、いろいろな方に相談されるといいと思います。
修学旅行の就寝時
聴覚過敏があると、人のいびき・歯ぎしり・トイレに起きる音などで目が覚めてしまいます。人と寝ることができないのです。
特に修学旅行などの学校の行事は、一睡もできずに帰ってきます。
はじめは宿泊学習に行ったときは、イヤーマフをすれば寝れるかなと考えて、先生にも伝えたのですが、イヤーマフをしても寝れたことは1度もありませんでした。
これは他の聴覚過敏がある子のお母さん方に聞いても同じでした。「イヤーマフをしても寝れない」ってほんと辛い、苦行ですね。
イヤーマフは無音にはなりません
イヤーマフをつけると無音になると思っている人もいますが、無音になるわけではありません。
お子さんがイヤーマフを持っている場合、一度つけてみてほしいのですが、ただ音が小さくなるだけです。
学校の先生で、イヤーマフをつけている子に聞こえないと思って大声で話をしている先生もいますが、私は娘に関わる先生の場合は「普通の音量で聞こえています。たまたま聞こえない場合はイヤーマフをズラして聞こうとするので、もう一度伝えてください」とお願いしています。
メーカーや種類によっても防音の程度は違いますが、完全無音はないはずです
聴覚過敏は良くなるのか?
聴覚過敏は一生続くのかという問いに、いくつかのウワサがあります。
私が今まで、ドクターや先輩ママたちに教えてもらった話で、聴覚過敏が改善した人がいて、大体そのタイミングが3つあるといいます。もちろん聴覚過敏が改善しないままの人もいます。
- 言葉が出てきたタイミング
- これは論文があるようです
- 思春期が終わるころ
- 20歳過ぎくらいに、そういえば聴覚過敏じゃなくなってたというお母さんの話が何人か
- 歳をとってから
- これもお母さん方や相談室さんから聞いた話です
- 歳を取ると感覚も鈍くなるのと、今までの経験も重なって音慣れし、穏やかになる人もいるとか
話題にあがるほど、みなさん苦労されています
あとは最近の改善治療として、きちんとエビデンスのあるものは再生医療があります。聴覚だけでなく、感覚過敏全体の改善に期待が持てる治療です。今度この記事も書いてみようと思っています。
聴覚過敏だけどイヤーマフしたくない娘
聴覚過敏があるのだから、イヤーマフを渡せば喜んで使ってくれるだろうと思いますよね。
イヤーマフは今でこそ必需品の娘ですが、小さいころは着けてくれませんでした。娘がイヤーマフを使用しなかった理由を書いていきます。
自分が聴覚過敏だと気づいていない
生まれつきの聴覚過敏の場合、他人の体と交換できれば、自分が聴覚過敏だと気づきますが、それは勿論できません。先ほどの聴覚過敏に気づくのは周囲のところでも書きましたが、みんなも同じように聞こえていると思っているで、自分だけイヤーマフは理解できないのかも知れません。
自分にだけ「はい。イヤーマフつけて」「音が小さくなるよ」などと言われても、腑に落ちないのはわかります。
イヤーマフの圧迫・重さがつらい
イヤーマフを着けてみるとわかりますが、(購入時は特に)かなり圧迫が強く、重さもそれなりにあります。
聴覚過敏がある人は、感覚過敏もある人が多いですから、その圧迫・重さがつらくて身に着けることが難しい人もいます。娘もはじめというか、しばらく着けることができませんでした。
熱がこもるから長時間できない
また、イヤーマフは長時間つけていると熱がこもり、耳が熱くなります。
特に夏場は、イヤーマフを着けている子は、汗を流しながら着けていて、本当に辛そうで気の毒に思います。
使用していもいい雰囲気
娘の場合は、放デイや家族の外出時は使用できるようになりました。
しかし学校ではできなくて、学年にはイヤーマフを着けている子はいたのですが、クラスに着けている子がいなかったこと、また先ほどの担任の話のように「着けていないことが素晴らしい」という思想の大人がいると、娘は人の気持ちや気分を敏感に察知する子ですから、着けてはいけないと思っていたようです。
放デイの職員さんも「学校は着けるのに許可が必要と思っているのでは?」
「hakuちゃんのように、遠慮しがちなタイプは『イヤーマフ着けます』と言い切ってもらった方が、着けていいんだと理解できると思いますよ」とのアドバイス通りに、小5の担任が代わった時に『イヤーマフ着けます』言ってもらってから、学校でも着けることができるようになりました。
娘のように発達障害があっても、人の気持ちに敏感な子は結構多いですよ
イヤーマフが使用できるまで
次にイヤーマフが使用できるまでを書いていきます。
圧迫対策→大人用を使う
これはお子さんの頭囲のサイズにもよると思いますが、娘は割と頭囲が大きい方です。
はじめは子供用のイヤーマフを買ったのですが、娘の頭には一応つけることはできますが、かなりきつそうで嫌がりました。
そこで、すぐに大人用のイヤーマフを買いなおしてつけると、短い間なら使用できました。といっても、嫌がらずに少しつけたくらいです。
支援学校の小学部でも大人用のイヤーマフをしている子が多い印象ですね
デザインは本人に選ばせる
これもお子さんによると思いますが、デザインを好きな色や、周りを気にする子は目立たない色や形を見せて選ばせるのがいいと思います。
娘の場合は、私がいいと思ったイヤーマフの中から、画像を何枚か見せてその中から選んでもらっています。
体験によるメリットの理解
説明が理解できる子なら、イヤーマフのデメリットとメリットを説明して、自分で使うこと自体を選ばせたり、場所によって使ったり・使わなかったりするのもといいと思います。
そのお子さんにあわせて、スモールステップで徐々に慣れていくのがいいと思います。
娘の場合は、いくら視覚支援・文字で丁寧に説明しても、自分が過去に経験したことがないことは理解が難しいので、家族での外出時に常に持ち歩いて、苦手な音の時に、渡して着けてもらうというのを繰り返して経験させました。
イヤーマフのデメリットである感覚過敏の辛さよりも、聴覚過敏の辛さの方が上回ることが体験として理解できたようで、そこから自分にはイヤーマフが必要だと理解できたようです。
日常の聴覚過敏対策
ここからは、聴覚過敏の娘のために日常の対策を書いていきます。
テレビつけっぱなしをやめる
テレビはCMから本編、本編からCMへの代わり時に、音量が急に大きくなったりしませんか。娘はその急に大きくなる音が嫌みたいで、だったらつけっぱなしをやめようと思って、今はテレビはほとんど見ません。
もともとテレビも、そんなに見ない子でしたし、夫も私もそれほど見ないので、家は静かになりました。
見たければ録画かTvarで見てます。ニュースも今はネットで見れますしね。
話しかけるときは気を付ける
以前ご紹介した本2冊にも書かれていましたが
こどもと話すときの原則として「Calm=穏やかに Close=近づいて Quiet=静かに」話すことの大切さ、また別の本には、声掛けは「小さい声で・短く・肯定形で」と紹介されていました。
特に聴覚過敏がある娘に話しかけるときは、これを守って、穏やかに話すように気を付けています。毎日気を付けていれば、穏やかに話すことが私自身に身について、もう何年も怒っていません。注意は勿論しますが。
ドライヤーは耳栓
ドライヤーをかけるときは、自分で耳栓をしてかけています。あとはイヤーマフができないプールも耳栓をして入っています。
使っているのは下の耳栓ですが、人によってあうあわないがあるので、いろいろ試してみることをおすすめします。このメーカー耳栓は新しいタイプが出たようです。
外出時はイヤーマフ
イヤーマフをはじめてつけるお母さんから「何を買ったらいい?」とか「おすすめは?」と聞かれたこともあるのですが、お子さんが気に入りそうな色を、頭のサイズを計って購入されるのがといいと思います。
あとは交換用パットが別売りされているものですね。
ちなみに娘は3Mのイヤーマフをしています。サイドの色が赤・黒・蛍光みどり・黄色と4色あって、イヤーマフとしては、ダサくない方ではないでしょうか。
掃除機をかけている時はノイキャン
私が掃除機をかけている時も、娘はスマホで動画を見てたりするのですが、掃除機の音で動画の音が聞こえないため、ノイズキャンセリングヘッドフォンをBluetoothでつないで動画を見ています。
家族で車で移動中の車内でも、このノイキャンヘッドフォンを使っていますね。
作業所を見学させてもらって、職員さんとお話すると、
ノイズキャンセリングイヤホン・ノイズキャンセリングヘッドフォンをして、お仕事されている方もいるようです。
ノイズがカットできるのが一番の魅力ですが、ノイキャンは、高音には遮音性が低いようです(娘談)。地下鉄のモーター音や映画の戦闘シーンで剣がぶつかり合う音は、イヤーマフの方がいいみたいです。
ノイキャンも人によると思うので、いろいろなものを試してみるといいのではないかと思います。お値段もピンキリであります。
デジタル耳栓
以前、デジタル耳栓も使っていたことがあるのですが、娘の場合は、サイズが合わなかったのか耳から結構ポロポロ落ちてしまって、今は使っていません。
でも、ノイズキャンセリングの効果はあるみたいです。
映画館もイヤーマフ
手をつなぐ育成会のイベントで、映画館に行くことがあって、そこから映画が趣味になりました。
映画は音量も大きいのですが、イヤーマフをしながら楽しんで見ています。年に3回くらいは行っています。療育手帳提示で安く見に行けますしね。ありがたいです。
小児科から内科へ
聴覚過敏の方で、赤ちゃんの泣き声がつらいと感じる人は多く、娘も同じです。
小さいころは風邪をひくと小児科に通っていたのですが、近くの赤ちゃんの泣き声を聞くと、イヤーマフの上から手でイヤーマフをギュッと抑えるほど、本当に辛そうでした。
病院の診察にも慣れてきた小学校高学年に、小児科に通うのはやめて内科に通うことにしました。
そうすることで予防接種(感覚過敏には激痛)の後に、毎回泣くのは泣くのですが、泣き止むのが早くなりましたし、最近は泣かなくなりました。診察も落ち着いてできるようになりました。
環境は大事ですね
「聴覚過敏があります」とお知らせする
コロナ禍の時に、感覚過敏の人がマスクがつけられなくて「マスクがつけられません」と周囲にお知らせするバッジが話題になりました。
それと同じように「聴覚過敏があることを」お知らせするバッジやシールもあります。
イヤーマフをしていると「なんの音楽聴いているの?」とか「ここで音楽聴かないでください」と言われたこともあるのですが、あらかじめお知らせしておくと、察してくれる方も多いです。
この聴覚過敏マークは、石井マークさんが無償でデータを公開してくださっています。このデータを元に自分でシールやバッチ、キーホルダーを作られている方もいます。ありがたいですね。
【注意】パットは劣化します
先ほども少し書きましたが、イヤーマフは買ったらそれで一生使えるものではなく、だんだんと緩くなり遮音効果は弱くなっていき、本体も劣化していきます。
また耳が当たるパットは1~2年くらいで劣化し、固くなりクッション性が弱くなります。
そのためパットを交換することをおすすめします。
はじめからパットが別売りされているものを確認してから買うといいのではないでしょうか。
画像はわかりにくいかも知れませんが、右が1年間使ったパットです。色が黒くなり固くなっていきます。
ノイズキャンセリングヘッドフォンも交換用パッドが別売りされています。
まとめ
音は日常にあふれています。聴覚過敏のある人は、本当に大変な毎日をおくっていると娘を通して思っています。
聴覚過敏のあるお子さんの何か1つでも役に立てれば嬉しいです。
将来の暮らし
今後の私の心配は、娘のグループホーム探しです。グループホームでの利用者同士のトラブルで一番多いのは、音の問題なのだそうです。聴覚過敏があると、人の音にも敏感ですから、同じ建物であってもストレスは高くなります。
アパートやマンションを1部屋ごと事業所が借り上げるタイプもありますが、そうすると掃除や洗濯などの自立が求められます。
重度訪問介護を使ったパーソナルアシスタントは、聴覚過敏があっても一人暮らしができるいい制度ですよね。しかしヘルパーの確保などの課題があり、制度はあっても利用が進んではいないようです。(重度ではない娘は使えませんが)