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子どもの発達にあわせてスモールステップで教える本

障害がある子どもに、日常生活の動作を教えるのは本当に大変です。

親は療育のプロではないですし、発達段階に詳しいわけでもありません。

ですから個別療育の先生に、どの発達段階にいて何ができるのかを聞いて、家でも実践していくことが多いのではないでしょうか。

ただ療育は毎日行くものではありませんから、色々なことを聞きたいと思っても時間は限られています。もっと広く教えてもらえる本がないか、上手くいかないときにヒントとなる本がないかと探してみたところ、今回の本を知りました。

1巻から6巻まであり、私は全て持っているので、どれを買おうか迷われている方のお役立てればと思います(*‘∀‘)

  • 障害のある子に日常生活動作を教えたい
  • 生活動作以外にも社会的なルールやマナーを教えたい
  • 教えてはいるが上手くいかない
  • 何か工夫やヒントが欲しい
  • 学校の先生や支援者の人も読まれている本
目次

子どもの発達にあわせて教える

発達障害のある子どもに教える際には、一人ひとりの子どもに合わせた、オーダーメイドの配慮が必要です。その配慮が適切であれば、子どもとの間で信頼感が生まれ、子どもは学びを勧め、自立のための力を育むんでいきます。

この「ひとりでできる」シリーズは前6巻で構成されています。子どもの社会的自立に必要な生活技術を、具体的な場面に即して教える方法や工夫がいっぱい詰まっています。執筆に当たったスタッフはいずれも、日々子どもたちに接し、保護者に接している実践家です。

お役に立てることを心より願っています。

引用:まえがき
  • 療育のプロたちが考えた本です
  • 日常生活動作などを教える工夫が詰まっている
  • 社会的なルールやマナーの教え方も載っている
  • それぞれに0段階から5段階のステップで示されている
  • スモールステップで段階を上がって教えることができる
  • イラストが豊富で読みやすい
  • 小さい子向けの内容から社会生活の工夫まで、年齢に関わらず幅広く書かれている

幅広く書かれているので、発達によってできないところもあると思います。全てをやらなくてもいいと思いますし、私も気になるところを拾い読みして、参考にさせてもらっています。

「オーダーメイドの配慮」と書かれている通り、本の通りに上手くいく子・行かない子もいると思います。でも何かしらのヒントにはなる本だと思います。

それぞれの本を紹介していきます

1食事編

食事の基本的技術やマナーを身に付けることは、彼らの世界を広げ、生活の質を高めます。(略)

しかし発達につまづきがある子どもは、自然に見よう見まねで学ぶことが困難です。一つのことを身に付けるのにも長い時間がかかります。丁寧に、特別な工夫をして、そして根気よく教えていく必要があります。

引用:あとがき
  1. 噛んで食べる
    • うまく噛めない|何回か噛んで食べる|適量を噛み切って口に取り込む|唇を閉じて噛む|鼻呼吸を教える
  2. コップで飲む
    • スプーンから飲む|飲めない子どもの介助|飲み物の量を調節|連続飲みをマスター|こぼさず飲む
  3. ストローで飲む
    • ストローで吐く練習|ストローで吸う練習|吸う力が弱い場合|ストローで飲む|ストローで連続飲み|最後の1滴まで飲み干す
  4. スプーンで食べる
    • スプーンを持つ|スプーンですくう|こぼしやすい|鉛筆持ちに持ち替える|スプーンの動かし方
  5. フォークで食べる
    • フォークを持つ|フォークで刺す|食べ物を口へ運ぶ|鉛筆持ちに持ち替える|上手に扱える
  6. 箸で食べる
    • トングで練習する|指数字の練習をする|介助箸を利用する|介助箸から普通箸へ|箸の開閉を練習する|箸ではさむ・開閉する|実際の食事で練習する
  7. 偏食を改善する
    • 苦手度を判定する|大好きレベルをリストにする|ごく少量から始める|噛んで飲むことをサポートする|自分から配慮して食べる
  8. 果物の皮をむく
    • 持ち方を教える|皮をむく練習|むきはじめの練習|皮を全部むく練習|皮をちぎらずにむく練習
  9. 袋や蓋を開ける
    • 開けることを経験する|途中から持って開ける|力が必要な部分を開ける|一人で全部開ける|つぶさずこぼさずに開ける
  10. テーブルをふく
    • 汚れをふき取る|部分的に拭く練習|まんべんなく拭く練習|テーブルのゴミを取り除く|台ふきんを洗う練習
  11. 食事を並べる
    • 手に持つ練習|運んで置く練習|食器を正しく並べる工夫|お盆を使って運ぶ練習|家族の分量をよそって運ぶ
  12. 注ぐ・よそう
    • コップに注ぐ練習|ご飯をよそう|おかずを皿に盛りつける|お玉で汁物を器や皿に入れる|適量・均等によそう
  13. 食後にテーブルを片付ける
    • 食器を下げる|指定された場所へ運ぶ|食器を運ぶ方法|家族の食器も運ぶ|食卓を綺麗にする
  14. 食事の決まりを守る
    • はじめ・終わりの挨拶をする|みんなが揃うまで待つ|食事中は席を立たせない|刺激になるものは片付ける|周りのペースを見ながら食べ終える
  15. 食事のマナーをマスターする
    • 食べ方の基本|形からマナーを教える|マナーとして教える|バリエーションを増やす|マナーを意識させる工夫
  16. 食器を持って食事をす
    • 大人が手を添える|器への意識を持続させる|茶碗の持ち方|カードを活用する|食卓を椅子を離してみる
  17. こぼさずに食べる
    • 正しい姿勢で食べる|口からこぼさない練習|食べ物を口元まで運ぶ|器に手を添える|こぼしたものは片付けさせる
  18. 適切な量の食事をバランスよくとる
    • 自分の分を示す|ルールを作る|だらだら食いの対応|食べられる量が分かる工夫|バランスよく選ぶ|自分で食事を考えて用意させる
  19. 時間内に食事をする
    • 決められた量を食べる|時間を意識させる|タイマーを使った練習|決められた時刻までに食べる|自分で時計を意識して食べる
  20. 外食をする
    • 家庭での予行演習|静かに待つ練習|食べたいものを選ぶ|店でのやり取りを予習|予算に合わせて選ぶ

こんな感じで各回にステップが書かれています

個人的には偏食の改善のところは、極端な偏食の子には難しいと思いました。全てが自分の子にあうアドバイスの本は存在しないのです(。-∀-)

この本の内容を全てできる人はいないなぁと思いました。特に食事に関しては「できそうなところをやってみる」くらいでいいのではないでしょうか。やり過ぎでも食事がつまらなくなってしまいます。

2排せつ・清潔編

とりわけ、この巻で取り上げた「排泄」「清潔」「健康」という体のケアに関する習慣は「自分流」になりやすいため、「いつかできるようになる」と子どもに任せ過ぎず、大人が丁寧に教える必要があります。(略)

子どもからすれば始めは「やってもらう」「やらされている」動作がほとんどです。(略)しかし、分かる手がかりとできる実感繰り返し示し、自分の中から「やろうとする」思いを育てていき、本人に取り組んでもらいたいものです。

引用:あとがき
1.小便をする12.体を洗う
2.排便リズムを整える13.体をふく
3.大便をする14.汗をふく
4.排便後の身じまい15.鼻をかむ
5.トイレットペーパーを使う16.爪を切る
6.和式トイレを使う17.濡れや汚れに対応する
7.手を洗う18.睡眠を取る
8.手を拭く19.ケガに対処する
9.歯磨きをする20.発熱、痛みに対処する
10.うがいをする21.薬を飲む
11.顔を洗う22.生理に対応する

3着脱編

着脱の技能は、手でつかみ、握り、つまむ操作がたくさんあります。そこが苦手だと上手くいかない原因にもなります。大人が手伝いたくなるところですが、本人に取り組ませていく中で指先は鍛えられていきます。

引用:あとがき
1.パンツ・ズボンを脱ぐ11.スナップボタンをする
2.トレーナー・シャツを脱ぐ12.ファスナーを開け閉めする
3.靴を脱ぐ13.前開きシャツを着る
4.靴下を脱ぐ14.紐を結ぶ、ほどく
5.パンツ・ズボンをはく15.手袋をする
6.トレーナー・シャツを着る16.ハンガーを使う
7.靴をはく17.シャツのすそをズボンにしまう
8.靴下をはく18.身だしなみを整える
9.ボタンをかける19.すばやく着替える
10.かぎホックをする20.衣類を選ぶ

4手・指の使い方

生活の中で当り前の動作として、手を使う機会を積極的に設定してください。身体を動かして覚えたことは、本当に「身に付く」ことでしょう。

「手間暇を惜しまない子育て」のために本書が少しでも役に立つことができたら嬉しいです。

引用:あとがき
1.物を取り出す・入れる11.セロハンテープで貼る
2.箱の蓋を開ける・閉める12.紙を折る
3.引き戸を開ける・閉める13.ぞうきんをしぼる
4.ドアノブを開ける・閉める14.ホチキスで紙をとめる
5.蛇口を開ける・閉める15.輪ゴムをかける
6.ペットボトルの蓋を開ける・閉める16.シールを貼る
7.フックからはずす・かける17.紙をそろえる
8.手で荷物を運ぶ18.プルトップを開ける
9.のりをつける19.筆記具を持つ
10.はさみで紙を切る20.定規で線を引く

5お手伝い編

仕事を頼まれたときに、きちんと返事をし、嫌な顔一つせずにやってくれる、障害のある青年がいます。「彼が1人うちにいれくれたら助かりますよね」「ここまで育てるにま、相当の根気が必要だったんだよ」というのは、それを見ていた若い職員と先輩の職員のやり取りです。

このような成年に育つまでには、実際の働きかけがあり、それに取り組んでこられられたのは、やはりなんと言っても保護者の方たちです。(略)

家事ができる子は働ける」これは、障害のある子どもたちの就労を実現させてきた学校の先生の言葉です。(略)

お手伝いには、直接的にも間接的にも将来の仕事につながるものがたくさんあります。お手伝いを通して、家族の一員としての役割を果たし、将来は働く喜びを感じられる人になって欲しい、そのための一歩を踏み出す教材として本書が役に立ってくれることを願っています。

引用:あとがき
1.物を運ぶ12.お風呂洗い
2.食器を洗う13.洗濯機で洗濯する
3.食器をふく14.手洗いする
4.ピーラーで皮をむく15.洗濯物を干す
5.包丁で切る16.洗濯物をたたむ
6.包丁で皮をむく17.ごみを捨てる
7.包丁の管理18.ほうきで掃く
8.ごはんを炊く19.掃除機をかける
9.火を使わないで調理する20.トイレ掃除ができる
10.調理機器を使う21.布団を敷く、たたむ
11.火を使って調理する

6社会生活編

働く上で必要なのは、作業能力が高いなど仕事に関する力だと思わるかも知れません。しかし実際の現場では、生活面で自立しているかどうかも重視されています。着脱、排せつ、食事などの身の回りに関することは勿論、この巻で取り上げた社会生活力も重要になってきます。(略)

社会のルールやマナーは実地で経験してこそ身に付きます。失敗したり周りに迷惑をかけたりしながら、学んでいくものです。勇気を出して、家庭から一歩外へ踏み出して欲しいと思います。(略)

本書には、教え方の様々な工夫をまとめてあります。参考にしていただき、子どもたちが社会の中でいきいきと学んでいくことを願っています。

引用:あとがき
1.1人で外を歩く10.品物を選んで買う
2.信号を渡る11.お金を払う
3.自転車に乗る12.ファストフードで食事をする
4.バスや電車に乗る13.持ち物を管理する
5.公共施設を利用する14.お金を管理する
6.時計を読む15.挨拶をする
7.時間感覚を育てる16.カギを開け閉めし管理する
8.電話をかける17.留守番をする
9.電話を受ける18.待つスキルを身に付ける

まとめ

今回は「子どもの発達にあわせて教えるシリーズ」を紹介しました。

久しぶりに全部見てみて「賛否両論あるかも」と思いながら書いていました。というのも、日常生活はその家庭でのルールがあり、できないことや、違うやり方がふさわしい場面も多数あると思います。

また、ここまで丁寧だったのに、急にレベルが上がったなと思うものもありました。

個人的には「これが知りたい」という1つのものではなく、「この本の中のいくつかを知りたい」というものがあるのなら買って正解だと思います。

生活全般のヒントが欲しいなら、アイディアが豊富にあることは間違いないです。

何か参考になれば嬉しいです(*‘∀‘)♪


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