自閉症の子を子どもを病院に連れていくのは本当に大変です。
小さい子でも病院嫌いはありますが、自閉症の子は見通しが持てない|感覚過敏がある|じっとしているのが辛い|トラウマになりやすい等の特性上の理由もあります。知的障害もある場合、病院が病気を治すところという因果関係がつかめていないこともあるのではないかと思います。
また病院・先生側も、障害児に慣れていないのがほどんどです。
子どもが小さい内は泣き叫んでもそれほど目立たないかも知れませんが、大きくなって病院に慣れていないとかなり苦労すると思います。
実際に中学生くらいになると「病院に連れて行けない」というお母さんの話も聞きます。小学生のうちに病院に慣れておくことが大事ではないかと思います。
この記事はこのような方におススメです。
・こどもを無理やり連れて行ってるけどいいのかな
・診察前に準備や工夫していることが知りたい
・病院に対してできる工夫はあるか
病院の見つけかた
私や周りのお母さん方が、どうやって病院を探しているか書いてみました。
事前説明【こどもに】
病院に連れていく時に子供に何も説明せずに行く方も多いかと思います。私もかつてはそうでした。
病院に行く理由を説明する
自閉症の子は一般常識が理解できなかったり暗黙の了解が分からなかったりします。そのため、いきなり何の説明もされずに病院に連れて行かれることはとても怖いことだと想像できます。
説明しないことのデメリット
本来はこどもに理解と納得をしてもらって受診してもらいたいです。だけど、特性上の理由もあり納得なんてしれくれません。しかし私は説明しないデメリットの方が大きいと思っています。
- ①次につながらない
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2回目の通院のハードルがかなり上がる。子どもによっては病院に入りたがらない子もいます。
- ②恐怖やトラウマになりやすい
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恐怖を与えられた記憶は中々消えません。大人になっても鮮明に思い出せる人もいるとか。フラッシュバックや二次障害が起きる子もいます。
- ③罰や嫌いだからと勘違いする
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子供によっては治療の意味が分からず、ただ苦しめられたと勘違いする子もいます。
- ④大人になると病院に行けなくなる
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説明をせずに誤魔化し続けてしまうと、体が大きくなってくる中学生くらいに病院に行けなくなる子がいます。知り合いの子は入口にも入れないと聞きました。その内理解できるは通用しない子もいます。
- ⑤親が信用されなくなる
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子どもからすれば「ダマされて連れて行かれた」ということになるので、子どもから信用されなくなったり、恨まれることもあります。親だから当たり前に信用されると思ってはいけないと思っています。
他の様々なことの不満が蓄積され、大人になって体が大きくなった時に家庭内暴力につながるケースもあります。障害の重い軽いに関係なく暴力の話は聞きます。
病院に行くメリットを説明する
私はhakuが元気な時に、病院とはという絵本を見せ、注射したら入院しなくていいといいとか、先生は病気を治してくれる人ということを絵や文字で説明しました。絵本は楽しく見ていました。
でも実際に病院に行く時は、車の中で泣いていました。
医療用の絵もあります⇩
現実は子供に納得してもらうのって難しいです。説明した結果、病院に行けなくなりそうで怖いとも思いました。
でも親が絵カードやスケジュールを一生懸命伝えようとすれば、納得できなくても理解できなくても、大事なことかな?とは思ってもらえるのではなかと思います。
病院に行かないデメリットを説明する
こどもに病院に行くメリットを説明してもダメな場合は、デメリットを伝えてもいいと思っています。
健康と命の問題ですから「入院することになる」「点滴をすることになる」「もっと痛くなる」など
プラス思考の人とマイナス思考の人がいるように、メリットに強く反応する人とデメリットに強く反応する人がいてると思います。hakuもデメリットの理解の方が早いようです。
事前準備【おうちで】
痛い・かゆい等がある場合は部位を確認しておく
お腹が痛いとかでも「お腹のどこが痛いのか?」などを事前に確認しておくと、病院での説明に役立ちます。
自分で言えない子はこのアプリがおススメです。
使い方などはこちら⇩
だいたいの診察手順を説明する
予想できる診察手順を説明すると「自分がとるべき行動」が分かるし「どうなったら終わり」なのか見通しが持てて安心すると思います。
自閉スペクトラム症(ASD)児者の多くは、「自分の身に何が起こるか、どうすれば良いのか、それがいつ終わるのか、終わったらどうすれば良いのか」などの「見通し」が持てないととても不安になる人たちであることに加え、聴覚よりも視覚優位の特性を持つ人が多いため、情報をわかりやすく・視覚的に・何度でも確認ができるよう、情報提供の方法を工夫することが必要です。
引用:埼玉県自閉症協会
スケジュールとして提示できる
↓ 歯科診療の絵カードを紹介しています ↓
待ち時間やあと何人を見せる
待ち時間のタイムタイマー
- どれくらい待ったらいいのかも視覚的に表示できます。1時間のタイムタイマーです
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- タイムタイマーって高価ですがこのアプリは無料です
- シンボルが表示されるので何の時間かが分かる
- 残り時間が視覚的に分かる
- 直感的に使える
- 鍵マークで画面ロックができます
- タイマーの色が変えられる
- シンボルの説明を文字で入れられる
時間ではなく、あと何人と見せる
- あと何回・あと何人で終わりが視覚的に分かる
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- 無料で使えます
- カウントアップ・カウントダウンが選べます
- 操作が簡単です
携帯用市販グッズもおススメです⇩
待ち時間をつぶせるものを持っていく
待ち時間が辛い子が多いと思います。hakuも小さい頃はこのアプリで遊んで待っていました。すぐ終わる簡単なゲーム?が入っているので時間つぶしにも、呼ばれた時にすぐ終われるのも良かったです。
声の大きさを調節するアプリもあります⇩
事前準備【病院】
障害者に慣れていない病院がほとんどだと思います。
問診表をダウンロードする
最近は、病院のHPで問診表をダウンロードできるところも増えてきました。家で落ち着いてゆっくり書けるところがいいですね。診察前に書く場合も私は以下のことを書いています。
問診表に①障害があること②苦手なこと③気を付けてほしいことなどを書いておくのがいいと思います。
診察前の看護師の聞き取りでも、伝えておくといいです。伝えておくことで看護師さんから質問をされることもありますし、提案をしてくれることもあります。「個室にいきますか?」とか。
hakuの場合
耳鼻科だと「聴力過敏なので耳に機械を入れる前は本人に伝えてください」
皮膚科だと「感覚過敏なので触られることを嫌がります」
「言葉の聞き取りが悪いので沢山話しかけられると混乱します。指示は簡単にお願いします。」など書いたと思います。
空いてる時間に予約をする
病院が空いている時間に予約をして待ち時間が短く済むように工夫する。
学校を早退させて空いている時間に病院に行っている人もいますよ。
何か希望があるなら事前に相談する
個室がいいとか・車で待機したいとか希望があれば、対応してもらえるか事前に病院に確認する。
特別な事情がある場合は主治医の先生に相談してみる
病院に入れない・パニックを起こす・他害がある・暴れるなどの診察自体が難しい場合は、主治医の先生に相談されるといいと思います。
または、受診してみようと思っている病院に直接事情を相談してみてもいいと思います。
障害のある子を診察することは病院側も大変だと思います。こちらに希望があってもダメ元で聞いてみて、たとえ受け入れられなくても当り前と思って次を探してみましょう。
困った時は1人で悩まず、学校・ママ友・デイのスタッフさん・主治医・相談室など色々な人に情報を持っていないか聞いてみましょう。
まとめ
今回は病院受診の工夫を紹介しました。
hakuは感覚過敏を持っているので、本当に病院が苦手で小さい時は何回も修羅場になりました。
これだけ準備しても上手くいくとは限りません。
私も色々準備しても絵カードゴミ箱に捨てられたり、行き場のない怒りがたまりhakuに叩かれたり、蹴られたり、本当に色んなことがありました。たくさん失敗と経験を繰り返した結果、今は(苦手だけど)スムーズに診察を受けれるようになりました。たくさん失敗したから、hakuを理解できるようになったのかも知れません。
大変だと思いますが、この情報が少しでも参考になると嬉しいです。