わが家の【お金の残し方】と今後の見通し

障害児を育てていると、「親亡き後のお金」のことが心配になると思います。

親亡き後のお金といっても、それぞれの家庭や障害の程度によって対策は変わってくると思います。

今回はわが家の娘へのお金の残し方と今後の見通しについて考えてみました。

私自身の考えのまとめとしてもブログを書いているので、1家族の情報として参考にしてもらるとありがたいです(*‘∀‘)

目次

1)障害基礎年金

障害基礎年金は20歳以前に障害の状態になっている人が手続きをすることができます。
※障害年金には、障害基礎年金・障害厚生年金・障害共済年金とがあります。

1級82,812円/月+子の加算
2級66,250 円/月+子の加算
2023年度現在障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額

2)障害年金生活者支援給付金

2019年からの制度で、障害基礎年金を受給している人に対しての給付制度です。

1級6,425円/月
2級5,140円/月
障害年金生活者支援給付金の概要

3)特別障害者手当・障害児福祉手当

精神又は身体に著しく重度の障害を有し、日常生活において常時特別の介護を必要とする特別障害者(児)が対象。成人の方は特別障害者手当、児童の方は障害児福祉手当のようです。

条件あり
  • 施設に入所していないこと
  • 3か月以上病院等に入院していないこと
  • 毎年の所得が基準以下であること
27,980円/月
特別障害者手当について

娘は障害児福祉手当は受給していませんが、支援学校に通っている重度判定のお子さんは、障害児福祉手当を受けていることが多いと聞きます。

4)家賃補助

グループホームを利用している住民税非課税世帯の人が対象。

10,000円/月

5)他

重度心身障害者医療費助成

国の制度ではないですが、重度障害者の方への医療費が安くなる制度
地域ごとに対象者や範囲は異なるようです

公共交通機関利用の割引

障害者手帳を持っていると公共交通機関の利用料が割引になります。
障害者手帳は他にも割引制度が色々あります。

税の免除など

他にも所得税・住民税・自動車税の免除。水道料金の減免なども地域によってあります。

携帯料金の割引

障害者手帳などの提示で携帯料金の基本料金が割引もあります。

7)生活保護

民法では生活保護の「扶養義務」は3親等以内となっているそうです。
しかし兄弟、親戚も自身の生活があります。扶養照会がきたとて扶養義務が絶対ではありません


ここからは、有料記事とさせていただきます。
障害年金だけではどれくらい不足なのか。わが家の対策。親亡き後のお金の管理について書いていきます。

娘のように障害が重い方の場合を想定して書きました。

ご購入いただきありがとうございます。

今まで受けたセミナーと次の記事から引用させていただき、収支はいくらになるのかざっくり計算してみました。

工賃は事業所により差が大きいので0円で計算しました。
個人差の大きい日用品、医療費などは今後も物価が高くなっていくので、もっと高くなると予想しています。

最低価格で計算しました。地域・事業所・個人差によってだいぶ差がありますので、必ず同じ金額になるわけではありません。

障害年金1級+生活介護

障害基礎年金1級+生活介護
障害基礎年金1級82,812円2023年度
支援給付金6,425円
特別障害者手当27,980円含めるか悩みました
家賃補助10,000円
工賃(仮)0円事業所による
収入合計127,217円
食費(GH+生活介護)24,000円朝食1食300円・夕食1食500円
月30日毎回食事をした場合24,000円
水道光熱費大阪8,000円
東京15,000円
大阪8,000円
東京15,000円
家賃大阪37,000円
東京45,000円
大阪37,000~38,000円
東京45,000~60,000円
支出小計大阪69,000円
東京84,000円
日用品費(仮)10,000円個人差あり
小遣い+余暇+被服費+交通費(仮)20,000円
医療費(仮)10,000円
通信費(仮)5,000円
支出合計大阪114,000円
東京129,000円
収支合計大阪+13,000円
東京-1,783

障害年金2級+就労B型

障害基礎年金2級+就労B型
障害基礎年金2級66,250円2023年度
支援給付金5,140円
家賃補助10,000円
工賃(仮)0円事業所による
収入合計91,390円
支出合計
内訳は上と同じ内容
大阪114,000円
東京129,000円
収支合計大阪-22610
東京-37610

障害基礎年金1級を取れれば、少し安心なような気がしますが、今後の物価高騰などを考えると1級といえど、決して安心できる金額ではないと思います。また地域差も大きいですね。

先輩ママさん達の話では、障害基礎年金1級を取ることが難しいとも聞きます。
重度だから1級とは決まっておらず、重度でも2級という人も意外といらっしゃるようです。

障害年金申請時に、医師に書いてもらう診断書と、家族が記入する病歴・就労状況等申立書の内容に解離がないように記入しなければいけないため、この辺のすり合わせが大事になってくるようです。

障害基礎年金2級の場合は、4万ほどのマイナスをどう補うか。また工賃で補えればいいですが就労B型で工賃3万円は聞いたことがありません。

もちろん生活保護を考えていいと思います。

わが家の場合はですが、親の扶養に入っていられる間は、(扶養義務もありますし)生活保護を受給しようとは考えていません。生活保護が嫌なのではなく、割と制限が大きいように思うのです(指定医療機関以外で受診すると、患者の全額自己負担とか)。もちろん制限があって当たり前の制度だと思います。

物価上昇は福祉施設には深刻な問題です

現在の物価上昇はどの家庭にとっても大変ですが、障害基礎年金が収入の柱となる知的障害者の場合、事業所の存続問題と直結し深刻な問題となっています。

障害基礎年金が収入の大半を占める知的障害者の場合、もともと相対的に所得が少ないこともあり、生活における物価高騰は深刻です。なかには、最低限必要な医療機関の受診さえ控えている実態があります。また障害福祉サービス事業所における食事も、食費の値上げはないものの以前と比べて品数が減ったりといった影響が出ており、就労継続支援事業所では原材料費の値上げなどにより賃金や工賃が減少するといった状況も確認されています。

引用元:手をつなぐ2023年12月号 急激な物価高騰に対応した支援施策を

実際に福祉施設・福祉団体が物価高騰を受けて国に要望を提出しています。また、障害報酬の低さも問題です。3年に1度の報酬改定とは知りませんでした。経済の変化に追いついていけず事業所が潰れてしまいます。

物価高騰や最低賃金の引き上げなどの影響で社会福祉施設などの運営に深刻な影響が出ているとして、県の高齢者福祉協議会の代表などが施設の収入として国が定めている金額の引き上げを国に働きかけるよう県に要望しました。(略)県側からは「全国知事会の機会などを通じて国へ働きかけていく」と回答があったということです。

引用元:NHK岩手 社会福祉施設の運営に深刻な影響「公定価格」の見直しを要望

日本知的障害者福祉協会(井上博会長)など34の障害福祉団体が10月26日、障害報酬に関連し、物価を毎年反映する仕組みにするよう国会議員に求める集会を衆議院第1議員会館で開いた。現在は3年に1度の報酬改定だが、これではタイムラグが生じ、事業継続が困難になると訴えた。(略)

佐々木桃子・全国手をつなぐ育成会連合会長は「障害福祉の担い手の確保は大変厳しい。賃金は全産業の平均給与より4万~5万円少ない」とし、他産業との賃金格差を埋める必要があると指摘した。(略)

障害報酬は24年4月、診療報酬、介護報酬との6年に1度の同時改定を迎える。それに向け、厚生労働省は年末に改定率や改定内容の大枠を固める予定だ。

一方、政府は11月中に経済対策をまとめ、補正予算の編成に入る。障害報酬とは別建てで、障害者や障害福祉従事者への経済的支援が盛り込まれる見通しだ。

引用元:福祉新聞 障害報酬、物価を毎年反映して 34団体が国会に要請

通院を控える、お昼を抜くという人も出てきますよね。
今後は消費税も上がるでしょうし。

工賃について

障害が重い子の就労先は、作業所などの福祉就労がほとんどです。

私は娘が小1の頃から、支援学校のPTA行事などを通して、多くの作業所を見学させてもらいました。
工賃が、一日50円の作業所や、1カ月来所すれば仕事をしなくても1万円もらえるところなど、本当にピンキリです。そして福祉に手厚い作業所ほど、工賃が安いという印象です。
(一日50円と聞くと、ひどい作業所のように思うかもしれませんが、支援学校並みに支援が手厚い作業所でした。)

中には、久遠チョコレート虹色のチョークのように、障害重くても月5万円稼げるところもあります。

こういう所で生き生きと働けるのなら、それはとても素晴らしいことです☆

しかし、全員がそういう所で働ける訳ではありませんし、子どもがそれを望むかも分かりません。

特に娘のように感覚過敏が強かったりすると、場所を選ばずに、何が何でも頑張らせるのは二次障害などの精神の悪化が心配です。

また今のご時世、10年後20年後も、その作業所や会社が存続しているかも分かりません。
実際、作業所の閉所の話も聞きます。

思春期から変わる子ども

また親が一生懸命に育てても、子どもは順調に育ってはくれません。

私が知っている子は、支援学校で小学生の頃から、行事の時には必ず司会を任され、先生や親たちからも一目置かれる男の子がいました。しかし、その子は中学生になる頃から、少しでも自分の思い通りにならないと、特に同級生に暴言を吐くようになりました。

私の主治医の先生も「薬を飲まなくてもよかった子が、思春期以降に薬を飲むようになる子が多いです。」とおっしゃってました。

良くなる子もいます。しかし、悪くなることもある。

将来は【稼げる子に育てたい】と思っても、二次障害や行動障害、精神障害になる可能性もあると、頭の片隅に入れて置いた方がいいのではないかと思います。

私は、娘が自分で稼げたらラッキーくらいに考えて、例え稼げなくても、それを想定して、制度を調べたり、前もって準備しておけばいいのでないかと思います。

もちろん準備できなくても、福祉に頼って生きていけばいいと思います。

本人が稼げても

例え、本人が稼げても知的障害がある場合、その金額はこれほど多くはありません。そして、今後日本で起こる問題として

  • 消費税の増税
  • 事業所の利用負担の増加
  • 65歳以上の介護保険料の負担額増加

この3つは避けられません。消費税は誰にでも均等に税金がかかりますし、事業所もその分利用負担を上げざるを得ません。娘が通う事業所も、今後は送迎代を徴収することになるかも知れないと言われています。こういうじわじわと見えない細かい支出が増えていくと考えられます。

また65歳以上で介護保険を利用する場合は、今は全員一律1割負担ですが、今後2割負担に上げるという話もあります。

障害年金1級をもらえたとしても、危ないと私は考えています。(娘は障害年金2級レベルです)

月4万円のマイナスと、今後の物価上昇、何かしらの大型の出費に備え、ある程度の貯金をしておくことが大事だと思っています。

ここからは「わが家の考える対策」のため、皆さん全員におすすめしているわけではありません。

手当等を貯金する

障害児がもらえる手当と言えば特別児童扶養手当障害児福祉手当です。
参考:厚労省 特別児童扶養手当・特別障害者手当等

特別児童扶養手当は障害児を育ている養育者の口座へ、障害児福祉手当は障害児本人の口座に振り込まれます。

特別児童扶養手当障害児福祉手当(そして児童手当も)使わずに貯金されている方がいるようです。

もちろん障害児を育てていると色々な事が起こりますから、そのために使われている家庭、薬をたくさん飲んでいて医療費にかかる家庭もあると思います。

私自身は、障害を理解するための本、娘への絵本、個別療育、家庭療育や視覚支援の材料費などを買うためにお金を使わせてもらい、残りを貯金しました。

現在、わが家は所得制限を超え、特別児童扶養手当は途中から支給停止です。
障害児福祉手当は重度障害ではないため、支給対象外です。

障害者扶養共済制度に加入する

障害者扶養共済制度とは、国の制度で親が生前に掛金を支払うことで、親亡き後、障害のある子が亡くなるまで一生涯お金が支払われる制度です。

iDeCo口座・NISA口座で積立投資をする

扶養共済に入ったから「親亡き後は安心だ」とは正直思っていません。人生何が起こるか分かりませんから備えておきたいです。

わが家は数年前から夫婦それぞれでネット証券に口座を作り、インデックス投資を行っています。

娘の証券口座も親権がある内に作った方がいいと思い、ジュニアNISA口座(2023年に終了しました)を作って運用しています。

NISAは18歳から、iDeCoは20歳から加入できます。

途中で積立「設定を停止」することも可能です。銘柄を変えたり、金額を下げることもできます。

「障害者もできるの?」と思われるかも知れませんが、iDeCoはできると明記されています。実際にお子さんの同意を得て、運用されているという話も聞いています。(NISAをやっている人もいます)

障がいのある人も加入することができますか?

障がいのある人も、20歳以上60歳未満(2022年5月から上限を65歳未満に引き上げ)であれば、加入することができます。障がい年金を受給している人(障がい基礎年金1級・2級、障がい厚生年金1級・2級の受給者)も加入することが可能です。
引用元:株式会社ドコモ・プラスハーティ iDeCo(イデコ)

投資の「複利」のことをアインシュタインが、「人類最大の発明」と言ったように、投資は若い時にはじめた方が複利の効果が大きいです。ジャックとジルの話を紹介します。

ジャックとジルの複利の話

弟のジャックは姉のジルと遊んでいる最中に頭をケガして大学に進学することができませんでした。
ジャックは18歳から25歳までの8年間毎年50万円を資産運用に回しました(運用元本400万円)。その後、追加投資することなく65歳まで放置しました。

ジルは罪の意識もあり医大に進学し、26歳から65歳まで40年間毎年50万円を資産運用しました(運用元本2000万円)

ジャックとジルが、全く同じ商品に投資をしていたとして年利10%として65歳で、よりお金を持っているのはどちらか?

正解は弟のジャックです。65歳時点での2人の投資口座には
・ジャック 2億5878万円
・ジル   2億2129万円 その差3700万円以上ジャックの方が多い

ポイントは、ジャックはジルよりも8歳早く投資を始めたということだけです。早くはじめた方が「複利が利く」というお話です。

こちらの動画もとても分かりやすくておすすめです。
「お金とどう上手に付き合うか」人によって考えが違うことが、解説されています。

投資は世界人口が増え続け経済が成長し続けることを信じるのであれば、若い時に投資をすれば複利が利くという話なので、そうでない世界もありうる訳で、リスクはご自身で判断してください。

投資はご自身でリスクを勉強して、自己責任でお願いします。

興味がある方は、この本がとても参考になりました。
テレビにも出演されていた経済評論家の山崎元さんの本です。
お亡くなりになられてとても残念です。ご冥福をお祈りいたします。

投資の始め方と同時に、投資の終わらせ方(取り崩し方)も分かる、こちらの本もおすすめです。

カン・チュンドさんの『積立投資の終わらせ方』

一気に崩すのはもったいないので、定率か定額で崩すか、定率なら何%がいいかなどが書かれています。

こちらの本はkindleで0円で読めます。

リベ大の両学長もおすすめされていました。

娘の場合は、この取り崩しをどうするか、考え中です。

最後の砦は生活保護

私達が残したお金などが無くなれば、生活保護を申請することになると思います。

生活保護の申請について、よくある誤解(詳しくは生活保護制度をご覧ください)

生活保護は色々な誤解があって、申請できる人が、申請できないと思い込んでいる場合が多いそうです。

  • 必要な書類が揃っていなくても申請はできます。
  • 住むところがない人でも申請できます。
    • まずは現在いる場所のお近くの福祉事務所へご相談ください。
    • 例えば、施設に入ることに同意することが申請の条件ということはありません。
  • 扶養義務者の扶養は保護に優先しますが、例えば、同居していない親族に相談してからでないと申請できない、ということはありません。
  • 持ち家がある人でも申請できます。
    • 利用しうる資産を活用することは保護の要件ですが、居住用の持ち家については、保有が認められる場合があります。まずはご相談ください。
  • 利用しうる資産を活用することが保護の要件ですが、例外もあります。
    • 自動車については処分していただくのが原則ですが、通勤用の自動車を持ちながら求職している場合に、処分しないまま保護を受けることができる場合があります。
    • 自営業のために必要な店舗・器具も、処分しないまま保護を受けることができる場合があります。

上記のことも含め、生活保護の申請については福祉事務所にご相談ください。

引用元:厚生労働省 生活保護を申請したい方へ
本人以外が生活保護の申請をするとき

生活保護を申請できるのは次の3者です。

  1. 本人
    • ただし、扶養義務者や同居家族がいない場合、申請がなくても保護を行うことができる
  2. その扶養義務者
    • 夫婦・直系血族・兄弟姉妹
  3. その他の同居家族

私が気になるのは「親亡き後」の生活保護の申請です。親が亡くなった後は、(相続放棄しない限り)親の遺産を相続することになるので、収入の増加となります。

親の遺産を相続することになるので、例えその前に生活保護を受給していたとしても、相続放棄をしない限り収入の増加となり、生活保護は停止または廃止になるはずです。


娘の場合は、親亡き後に遺産を使い切った後に、申請することになると思います。

こちらの記事でも書きましたが、成年後見人の代理申請は以前は「なじまない」とされていました。しかし日弁連の抗議により2021年10月1日以降から成年後見人の代理申請が可能になったそうです。

改定はされましたが、実際の現場はどうなのでしょう。

生活保護の代理申請に関しては、弁護士であれば代理できるともできないとも言えます。

では現場ではどういった状況になっているのでしょうか。実際のところは弁護士が本人の申請に同行する、というケースがほとんどです。代理申請ではなくあくまで本人申請であり、それに弁護士が付き添っているという形です。

引用元:本人以外が生活保護の申請(申請の代行)をするとき身内や親族の誰が代理で申請者になれるのか

あまりよく知らない後見人に同行してもらって、慣れない役所での手続き】になりそうです。

日弁連のホームページでは、原則はできないけど、行っていますと書かれています。

1 生活保護開始申請の代理業務
生活保護を受給するためには、原則として、生活に困窮する方や、その扶養義務者ないし同居の親族が福祉事務所に申請(保護開始申請)をすることが必要です。弁護士が、この保護開始申請の代理業務行っています

引用元:日本弁護士連合会 生活保護の申請手続

親亡き後どうなるのでしょう

娘は幸いにも数の理解が得意で、ある程度の計算はできますが、お金の管理ができるわけではありません。成年後見人にお金の管理をしてもらうことになると思いますが、後見人の不正利用の事件も後を絶ちません。

成年後見人の不正利用事件

法律の専門家の弁護士等の成年後見人でさえ、着服などの不正使用をしているのが現実です。少し検索しただけでも、これだけ出てきますから今後も出てくると思いますし、氷山の一角でまだ発覚していないものもあると思います。

ほとんどの後見人の方は善良な方だと思います。しかし、一部こういう後見人がいるのは事実で、この後見人に運悪く当たってしまうと、子供のためにコツコツ貯めた財産が一気に失われてしまうこともあるのです。

成年後見制度を悪用するなどして、およそ2350万円を横領したとされる元弁護士の男の初公判が広島地裁でありました。男は、起訴内容を認めました。(略)

成年後見人や遺言執行者として男女3人から預かり、管理していた現金あわせて2348万円余りを着服したとして、業務上横領などの罪に問われています。

引用元:【本人に直接取材】「キャバクラ通いや高級ブランド品に…」成年後見制度など悪用して2350万円を横領 元弁護士の男(56)初公判 広島地裁

成年後見人を務める弁護士が多額の現金を着服。そんなショッキングな事件が広島でありました。起訴された被告は成年後見人として男女2人から預かった1450万円を着服したとされています。

引用元:弁護士が「成年後見制度」を悪用して1450万円着服か 報酬が安い?一度決めたら解任困難?弁護士会長を直撃

成年後見人として管理していた口座から約547万円を流用したとして、福岡県弁護士会は20日、福岡市内に事務所をおく弁護士(56)を6カ月の業務停止処分としたと発表した。

引用元:朝日新聞 成年後見人の弁護士が預金の540万円を流用 生活費や事務所費に

そもそも大金を個人で管理するのが問題だと思っています。
それならば、個人で管理できないようにしておくことが必要ではないでしょうか。

遺言書を作っておく

知的障害の子どもがいる場合、遺言書を作っておいた方がいいと私は思っています。

遺言書がなかった場合、夫が亡くなった後、夫の銀行口座が凍結されます。相続人全員で話し合い遺産分割協議書に相続人全員のサイン実印を押すことになりますが、障害者の方ができない場合、成年後見人をつけることになってしまいます。遺言書があれば後見人をつけなくても大丈夫なのです。

遺言書の中で遺言執行者を指定しておくと、相続人にサインができない、実印が無いという障害者がいても、成年後見人がいなくても相続手続きをすることができます。

引用元:ぜんち共済 相続人に障害のある子がいる場合~遺言執行者の指定について

私たち夫婦は、お互いを相続人にする公正証書遺言を作成しました。どちらかが亡くなった後に娘のためにお金を使えるのは親だからです。

もし遺言書を作るのにそれほどお金をかけたくないと思っている方は、自筆証書遺言書保管制度というのもあります。手数料はかかりますが、法務局で保管してもらえ、裁判所の検認も不要となります。

遺言内容については、自営業・シングル・ステップファミリーなど家族によってそれぞれだと思いますので、法律家の方にご相談ください。

私たちは、親心後見・遺言のセミナーに参加して、日本相続知財センターさんで行政書士・司法書士の先生に相談しながら手続きをしました。

福祉型信託を利用する

わが家は将来、福祉型信託を利用しようと考えています。

福祉型信託とは親が亡くなった後、親の遺産を一括で受け取るのではなく、事前に決めた金額を定額で受け取ることができる制度です。2007年の改正信託法により誕生した制度です。

以前聞いた話では、知的障害者の男性が客引きに目をつけられ、数回に渡り口座に入っていたお金を全額引き出された事件があったそうです(客引きは違法です)。そのため1つの口座に多額の現金を入れていて、簡単に引き出せるのは危険です。

福祉型信託は、信託銀行にお金を預けておいても、自由に引き出せるわけではありません。

福祉型信託には「民事信託」と「商事信託」とがあります。
協力してくれる家族がいる方は家族信託を選ばれているようです。

福祉型信託
民事信託家族信託・個人信託
商事信託生命保険信託・特定贈与信託・後見制度支援信託・遺言代用信託など
信託協会 公益・福祉のための信託
家族信託とは

家族または親戚といった信頼できる人が受託者(委託者から託された信託財産の管理などを受益者のために行う者)となり、財産の管理・承継を行います。

引用:日本障害者リハビリテーション協会 福祉型信託とは?親なき後問題との関係性について解説

生命保険信託とは

生命保険金を信託財産として、受益者である障害者に対して、必要な財産の交付を行う信託のことです。
引用:名古屋家族信託相談所 障がい者の家族信託と商事信託とは?生命保険信託と特定贈与信託の仕組み

生命保険信託ではJICさんが障害者の親向けの信託を取り扱っています。

特定贈与信託とは

生前贈与は年間110万円を超えると贈与税がかかりますが、特定贈与信託では

  • 特別障害者1人に対し6000万円まで
  • それ以外の特別障害者には3000万円まで 非課税で贈与ができるものです。

非課税枠がある特別な手続きのため、交付の用途が限られ、生活及び療養のための生活費・医療費となります。

重度の心身障がい者(特別障害者)、中軽度の知的障がい者および障害等級2級または3級の精神障がい者等(特別障害者以外の特定障害者)が対象となります。

引用:名古屋家族信託相談所 障がい者の家族信託と商事信託とは?生命保険信託と特定贈与信託の仕組み

引用:信託協会 特定贈与信託

今のところ将来は、特定贈与信託をしようと考えていますが、まだ新しい制度なので、今後新しい信託商品が出てくるかも知れません。

福祉型信託をしても、成年後見人にお金を使われてしまうことがあるかも知れません。しかし、まとまったお金を引き出すには手続きが必要なため、気軽には引き出せない制度であると思います。

今回はわが家のお金の残し方と今後の見通しについて書いてみました。

知的障害のこどもがいると、親亡き後のお金のことは心配です。娘が小さい頃、セミナーに参加すると「障害の重い子にそんなにお金を残しても、使う機会自体が少ないのだから貯めなくても大丈夫ですよ」と言われていました。

しかし、今は物価高騰、少子高齢化で福祉業界の人手不足など、急激に時代が変化しています。以前言われていた常識は通用しなくなっていくように思います。

今後も何が起こるか分かりません。備えておくことに越したことはありません。

今後、成年後見制度も変わりますし、何か新しい制度ができるかも知れません。その都度、情報を集めつつ、何がいいのかを考えて、書いていけたらと思っています。

共に頑張っていきましょう☆

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