性犯罪者からこどもたちを守る日本版DBS法案が、今年の6月に可決され、2026年12月までに運用が開始されるそうです。障害児の通う福祉施設も対象になることを強く望みます。
以前テレビで、教育評論家の尾木 直樹さんが「子どもが好きで熱心な教師の中に小児性愛者がいる」というような話をされていました。実際、私の高校の担任は生徒思いの熱心な先生でしたが、私たちが卒業してからでしたが、児童買春で逮捕されました。
熱心か、熱心でないかは関係ありませんが、熱心な人の中にも性犯罪者がいるということを知った事件でした。
娘がお世話になっている支援者の方を疑うつもりはないですが、例え熱心な支援者だとしても性犯罪者や予備軍の人が混ざっているかも知れないとどこか頭の片隅に思っておくことが大事ではないかと思っています。
被害に遭った人は心に大きなトラウマを抱えることになります。自分の身を守るために、知識を教えておいた方がいいと考えています。
障害のある男児でも被害に遭っている
性被害に遭いやすいのは女の子ばかりではなく、男の子も同じです。
最近のニュースでも放デイ職員が、男児にわいせつ行為をし逮捕されました。
2023.11.16 大阪府和泉市の放課後デイサービス施設で、職員(29)が障がいのある10代の男の子にわいせつな行為をしたうえ、その様子を撮影した疑いで逮捕された。10代の男の子のトイレの介助をしている際、おむつを脱がせてわいせつな行為をしたうえ、その様子をスマートフォンで撮影するなどした疑い。 引用元:放課後デイサービスの職員を逮捕
2023.9.26 男児の下半身を盗撮したとして、大阪府警が性的姿態撮影処罰法違反(撮影)と児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで、施設の運営会社代表(32)=大阪府東大阪市=を逮捕。 引用元:放課後デイで下半身盗撮疑い
これは氷山の一角で障害児(者)の場合、発見されていないケースが多いのではないかと私は思っています。
逮捕されたとしても、再犯率が高い性犯罪。
出所しても、人手不足の福祉の世界です。
また福祉の仕事に就くのではないでしょうか。
以前、発達障害当事者の漫画家 沖田×華さんも子どもの頃、性被害に遭ったことを漫画で描かれていました。発達障害児は行動パターンが同じになりがちなため、その行動を犯罪者にマークされ何度も被害にあっていたようです。
加害者は顔見知りが多い
性被害の加害者は、顔見知りが72%と言われています(参考:子どもは誰から性被害を受けている?)
次の記事は、特別支援学校の女性教師が高校1年生の男子と性行為に及んだもの。
その下の記事は、障害は関係ないのですが、小学2年生の女児が学校内で複数の6年生の男子児童に下半身を触られる性的被害に遭ったもので、女児が友人とやりとりしたSNSを保護者が見て発覚したそうです。今の時代スマホで簡単に性に関する情報が得られますから、男の子達は小さいころから性の知識があったのでしょう。担任の対応もひどいもので怒りを覚えます。今後は性犯罪も低年齢化しそうですね。
私が知っている話では、(実話なので詳細は伏せますが)軽度知的障害の女の子が、軽度知的障害の男の子の下半身を興味本位で触っていたことが問題になったことがありました。
加害者は大人だけではなく、こどもの場合もあるし、男性だけではなく、女性の場合もある。誰が加害者になってもおかしくないということを心にとめておく必要がありますね。
温泉の混浴問題
『11歳の女の子と混浴できて穴場』
父親と一緒に男湯に入る女の子をねらうかのような投稿があったようです。
厚生労働省は2020年12月、公衆浴場での混浴を規制する年齢を、これまでの「おおむね10歳以上」から「おおむね7歳以上」に引き下げました。記事でも書かれている通り、発達障害のあるお子さんの入浴にサポートが必要で、仕方なく混浴されている方もいます。
温泉は親と一緒だから性被害は恐らくありませんが、見られているということは気に留めておいたほうがいいと思います。親にとっては子供と思っていても、周りはそう見ていない人もいるということですね。
トイレ付近も注意
以前、子どもの時の性被害を告白した女性の記事を思い出しました。
家族と一緒に買い物に行き、途中でトイレに行きたくなり一人で行ったときに、それをつけ狙われていて強引にトイレに連れ込まれて性被害に。親には被害にあったことは言えなかったそうです。
子ども場合、性被害の知識がなければ、自分が被害にあったということが理解できないと言われています。
親はトイレくらい一人で大丈夫と思っていても、力で押し込まれれば恐怖で声も出せない子もいます。
記事では、トイレ付近での被害は意外と多いと書かれていました。
どこで狙われている本当にかわからないものです。
娘の性教育の必要性を強く感じた瞬間
以前から娘には性教育をしようとは考えていました。
先ほどから書いている通り、そもそも性被害の知識がなければ、自分が何をされたのか理解できないですし、それを娘が親や大人に伝えようとも思わないと思っています。
娘が特別支援学校中学1年生になったときに、中学3年の男子生徒に異常に好意を持たれ、抱きつかれそうになることがありました。その男子は背も高く力もあり、学校で娘を見つける度に興奮し追いかけてくるため、娘は怖がって逃げ、男性教師が2人がかりで男子生徒を押さえて止めに入っていました。
その後、先生方の協力と対策のおかげで、導線がかぶらないように、会わないようにしてくださいました。
また、別の同級生の男子に体をなでられるということもありました。
知的障害があると好意・興味があっても、その表現方法が適切ではない場合があります。
娘には強い感覚過敏があり、人から触られるということに強い不快感があるため、触られたときに恐怖で叫んだため気づかれ対処されたのですが、親や周りの大人が近くにいない場合にも、伝えられるようにしなければいけないと強く思ったのです。
日本版DBS法案に福祉施設は対象になるか
重度の脳性麻痺がある娘さんのお母さんである土田沙織さんが、娘さんが被害に遭ったことで、福祉施設にも対象に入れて欲しいと署名活動をされています。少しでも関心のある方は是非署名活動に協力してください。
土田さんは以前から、知人の子どもが虐待や性被害を受けた経験を多く耳にしていたが、自分の娘に起こるとは思わなかった。通所者への虐待容疑で勤務先の施設を追われた後も、職場を転々としながら同じ仕事を続けている職員の話も聞き、犯罪を未然に防げる仕組みがほしいと思った。(略)
障害者の権利擁護に詳しい日本福祉大の木全和巳教授(社会福祉学)は「被害を訴えられない障害者はたくさんいて、事件化されていない性被害は無数にあるのではないか。障害の程度にもよるが、被害を訴えられない障害者を守る仕組みは必要だ」と強調した。
引用元:静岡新聞 性犯歴確認、福祉施設も 障害児の親、対象拡張要望
知識を教える
知識を教えたくても知的障害がある娘です。
以前書いた記事で、被害にあった時に「いかのおすし」ということは教えました。
しかし、身近な支援者が犯罪者だった場合に関してはワークがありませんでした。
hakuは感覚過敏なので、親であっても触られるのは嫌がります。ただ理由がある場合、(例えば生理が広範囲に漏れてしまった時など)は、簡単に触られせてくれます。自分で処理する方法(自立)を教えていくと並行して、プライベートゾーンの理解と、性行為についても簡単に教えておきたいと思いました。
※「プライベートゾーン」とは性に関わる大事な場所のことです
プライべートゾーンを教える【だいじだいじどーこだ?】
有名な性教育の本「だいじだいじどーこだ?」
こちらは、プライベートゾーンを教えるのにhakuにも分かりやすい絵本だと思いました。
口も手も耳もだいじ。パンツの中は特別だいじ。触らせてはいけない。
そして盗撮の危険も教えてくれる絵本です。
性犯罪者は、写真や動画で撮ることを好む傾向がありますよね。先程のニュース記事も
誰にも体を触らせてはいけないと教えることができる絵本です
具体的表現がわかりやすい【性の絵本】
こちらも有名な性教育の絵本です。
かわいらしい絵ですが、けっこうちゃんと描かれています。
子どもと大人の男女の体の違い、生理・卵巣・精子・性交・犯罪者から身を守るにはなど、性教育で教えたいことのほとんどが描かれています。
もくじ
- 男女の体の違い
- 子どもと大人の男女の体の違い
- 生理について
- 赤ちゃんはどこからくるの
- 卵巣・卵子・精巣・精子の説明
- 動物の交尾の説明
- 人間の性向の説明
- 受精卵とその成長と赤ちゃんが生まれるまで
- 守ろう!心と体
- 犯罪者は優しい顔と声で近づく
- プライベートゾーン
- 守るコツ
- 安全な場所の理解
- 大切なところは見せない
- トイレは大人についてきてもらう
- 一人にならない
- 好きな子と仲良くなるには
- 好きな子でも抱き付いたりしない
- お友達の心と体は相手のもの
- 離れても仲良くできるよ
性的表現のためボカシを入れました。
ちゃんと描かれていて分かりやすと思います。
DVDがすごい【NEO人間】
この本のDVDがすごいです。ドラえもんとのび太と一緒に、人間の体をCGなどを通して学ぶことができます。
私が特に見せたかったのは、DVDの中にある「赤ちゃんの不思議」です。CGや4Dエコーを見ながら、胎児から赤ちゃんが誕生するまでの一連の流れを知ることができます。
- 表紙のカバーの裏にQRコードが20個あり、コードを読み込むことで動画を見ることができます。
- DVDの中には下の動画が収録されています。
- 体のひみつ(11分)
- 赤ちゃんの不思議(17分)
- 視覚の不思議(10分)
- 体の不思議(8分)
- 体の秘密クイズ(7分)
- お医者さんのお仕事(20分)
hakuは聴覚過敏なので赤ちゃんの泣き声がひどく苦手です。なので、赤ちゃんが欲しいとか育てたいと思うことはありませんが、性被害に遭うと赤ちゃんができるということを教えたかったのです。
緊急避妊薬が一部薬局で販売開始
性被害にあっても、緊急避妊薬があるということも今後教えていきたいと思っています。
最近、緊急避妊薬(アフターピル)が一部薬局で販売が開始されたそうです。
性交渉後、24時間以内の内服で95%、25-48時間以内で85%、49-72時間以内で58%の確率で妊娠を阻止することができます。
引用元:ピルコン緊急避妊薬・アフターピル
もし娘が被害にあったら、薬局ではなく婦人科でピルの処方と性感染症の検査もしてもらうつもりです。
警察は捜査してくれるのか
先程、日本版DBSのところでご紹介した土田さんの娘さんの被害ですが、警察は娘さんが話せないからと不誠実な対応をしたようです。
脳性麻痺の娘さんがある日、陰部に3箇所の裂傷、オムツには500円玉大の出血痕、陰部からは鮮血が滲む状態で帰宅したそうです。
警察に相談しても最初は取り合ってもらえず、医師などの外部からの圧力でやっと捜査してくれても、2ヶ月程の簡単な聞き取りと、当日、娘さんがが過ごした2施設の写真を撮っただけで終わった。犯人は未だに捕まってはおらず、今も仕事を続けているそうです。
お母さんは身が引き裂かれる苦しみだったと思います。娘さんはそれ以上でしょうね。
福祉施設側から誰かが告発してくれない限り、重度障害者の被害者はこちらから証拠を提出しなけれいけないのでしょう。悔しいですね。
もし意思表示が普通にできる人なら、警察は協力産婦人科を紹介してくれたり、診察料・診断書料を一定額支払ってもらえるそうです。
あらかじめサポートや配慮などの協力を約束してもらった産婦人科などと連携して、スピーディかつ安心して受診していただけるよう努めております。
引用元:警視庁 医療費等の助成・病院の紹介・カウンセリング
まとめ
むかし、高齢者の介護施設の職員2人が、認知症の女性に手淫や口淫をさせていたというニュースを見ました。家族が虐待を疑い、音声を録音していたことで発覚したのです。
性犯罪者は、認知症があろうが、知的障害があろうが、男の子であろうが、見た目も関係なく、自分の欲望のために弱い人を対象にします。
せめて自分の子には最低限の身を守る知識を与えたい。知的障害ががありますから、繰り返し教えていきたいと思っています。
同じようなことを考えている方の少しでも参考になれば嬉しいです。