知的障害者と福祉避難所の現実

災害が発生した時に、一般の避難所で生活をすることが難しい方がいます。

避難所にパーテーションで区切られた障害者スペースや、別の部屋が用意されていても、そこで過ごすことが難しい場合はどうすればいいのでしょうか。

東日本大震災が起こった時に、発達障害のある子がいるご家族が「周りに迷惑をかけてしまうので避難所には行けない」とテレビの取材に答えられていました。

また別の番組でも障害者の方が、避難所に「行かない」のではなく「行けない」倒壊の危険がある自宅にとどまっている人、避難所にはいるが駐車場の車内で過ごしている家族が報道されていました。(車の中で過ごす被災者は、エコノミークラス症候群が多発しやすいと報告があります)

当時この報道を見たときに、まるで自分のことのように不安になりました。障害を持っている方・障害児を育てている方も同じ気持ちではないでしょうか。

日本は災害が多い国ですから、いつ誰もが同じ状態になり得る。その時にどのような仕組みになっているかを、知っておくことが大事なのではないかと考えています。

目次

福祉避難所(二次避難所)とは

一般の避難所で生活することが難しい人のために「福祉避難所」があります。

「福祉避難所」とは、「一般の避難所」での生活が難しく、避難生活において何らかの特別な配慮が必要な高齢者や障がいのある方などを受け入れるために開設する避難所(二次避難所)です。 高齢者施設や障がい者施設などを運営する社会福祉法人などと福祉避難所の設置運営に関する協定を締結しています。引用:福岡市 要配慮者の避難について

協定が必要

今までは災害が起こった場合に、いったん「一般の指定避難所」を経由してから「福祉避難所」へというのが前提であったが、福祉事業所が協定を結ぶことによって、直接「福祉避難所」へ避難することができるようになったそうです。

協定が必要だったのですね

福祉避難所に行くことが該当しそうな方として、災害弱者という言葉があります。

災害弱者とは

1991年度版の防災白書では、「災害弱者」は以下のように定義されました。

  • 自分の身に危険が差し迫った時、それを察知する能力がない、または困難な者。
  • 自分の身に危険が差し迫った時、それを察知しても適切な行動をとることができない、または困難な者。
  • 危険を知らせる情報を受け取ることができない、または困難な者。
  • 危険をしらせる情報を受け取ることができても、それに対して適切な行動をとることができない、または困難な者。

対象者は、高齢者・障害者・乳幼児・妊産婦・傷病者・外国人です。

明らかに娘は災害弱者です

福祉避難所ができた経緯、制度的な流れがありました。

制度的な流れ

スクロールできます
  災害 年 動き
 1959伊勢湾台風
災害関連死※1が相次ぐ
 1961災害対策基法制定
 1995阪神淡路大震災 1997新聞が「福祉避難所」という言葉を用いる
 1998栃木・福島県豪雨
福祉施設が土石流で被災
 1999災害対策特別委員会で
「災害時要援護者」が行政用語となる
 2004中越地震
初めて福祉避難所が開設
 2005しかし効果的に機能しなかった
「災害時要援護者の避難支援ガイドライン」が策定
 2007中越沖地震
福祉避難所6割弱の利用
 2008福祉避難所設置・運営に関するガイドライン」が策定
 2011東日本大震災 2013災害対策基本法の改正
要支援者名簿を創設
 2019台風19号 2021災害対策基本法の改正
個別避難計画の作成を努力義務
引用:避難行動要支援者の避難行動支援に関すること内閣府
引用:障害学会第8回大会「福祉避難所」成立の経緯

※1 「災害関連死」とは、災害による直接の被害ではなく、避難途中や避難後に死亡した者の死因について、災害との因果関係が認められるものである。

引用:ウキペディア 災害関連死 参考:災害関連死事例集 内閣府

多くの尊い命が失われた後に、制度ができる…皮肉な結果です。

福祉避難所を作っただけは不十分で、要支援者名簿や個別避難計画ができました。

要支援者名簿や個別避難計画について、誰が対象者になるか、どれくらい進んでいるかは、自治体によって違うようです。住んでいる地域の自治体の情報を確認してみてください。

次は東日本大震災の後に行われた実態報告書です

この報告書で、避難所に「行かない」人が多いということが分かります。

実態調査結果報告書

2011年の東日本大震災の2年後、2013年(H25年)内閣府「避難に関する総合的対策の推進に関する実態調査結果報告書」が行われました。

「先の東日本大震災では、災害時要援護者に対する配慮が不十分だったことによる避難支援及び安否確認の遅れの他、避難所の環境や運営の問題、在宅避難者への配慮に関する課題が指摘されました」と書かれています。

そのため実態調査を行ったということです

以下、内閣府のホームページより資料として載せさせていただきました。参考:内閣府ホームページ利用規約 出典:「避難に関する総合的対策の推進に関する実態調査結果報告書」(内閣府) PDF資料のためページを加工して作成しました。

避難所に関するアンケート(調査対象:被災地住民)

調査対象は震災当時15歳以上だった方で、避難所が開設された35市町村の地域(警戒地域を除く)の方へアンケートを実施。アンケート回収人数4,214人(発送数:13,922人、回収率30.3%)

  • 全アンケート回答者 4,214 人
    • 避難支援が必要ではなかったと回答した方 3,260 人
    • 避難支援が必要だったと回答した方 783 人
  • 調査表
    • A:全員が対象(一般の人+要援護者)
    • B:一般の人が対象
    • C:災害時要援護者(自己判断)が対象

報告書は「一般」「要援護者」とに分かれて、比較されていて、とても見やすいです。

避難状況

  • 資料によりますと、災害時に被災地にいて支援が必要な人の内(以下、要援護者)
    • 避難した人42%:その内、支援者がいた人62%・いない人18%
    • 避難できなかった人18%:その理由は、情報が入らなかった、場所が分からなかった。支援者がいなくて避難できなかった
  • 要援護者の内、避難所に行っていない人60%(473人)の理由
    • 施設の設備や環境の問題から避難所で生活できないと思った(162人)
    • 避難所に居づらいと感じる(80人)

避難所生活は誰にとっても辛いと思いますが、障害がある人は行く前から「行かない」と決めている人がいるのは、切実な問題だと思います。そこで福祉避難所ということになるのですね。

福祉避難所

要支援者の内、福祉避難所へ行った人は6%

まだまだ知られていなかったのでしょう

福祉避難所の確保・運営ガイドラインの改定(令和3年5月)内閣府によりますと

  • 指定避難所について、指定福祉避難所を指定一般避難所と分けて指定し、公示する
  • 指定福祉避難所の受入対象者を特定し、特定された要配慮者やその家族のみが避難する施設であることを指定の際に公示できる制度を創設
    • 「高齢者」、「障害者」、「妊産婦・乳幼児」、「在校生、卒業生及び事前に市が特定した者」など受入対象者を特定した公示の例を記載→受入れを想定していない被災者が避難してくる懸念に対応し、指定福祉避難所の指定促進を図る
  • 地区防災計画や個別避難計画等の作成プロセス等を通じて、要配慮者の意向や地域の実情を踏まえつつ、事前に指定福祉避難所ごとに受入対象者を調整等を行う→要配慮者が日頃から利用している施設直接の避難を促進する

特定された人とその家族のみが避難する施設という理由は、急に沢山押しかけても支援者は限られるわけですから、当然だと思います。

実際、避難所へ行っても避難所の建物自体が被災しているとか、そもそも避難所へ行く移動手段がないとか、支援者も被災していて人手が足りないとか、日頃から利用している施設が遠いとか課題はたくさんありそうですね。

難しい問題ですね

災害時要援護者名簿

「避難行動要支援者名簿」とは、災害対策基本法に基づき、大地震などの災害が起こったときに、自力で避難することが難しく、支援を必要とする方々(避難行動要支援者)を、あらかじめ登録しておく名簿です。引用:練馬区避難行動要支援者名簿制度のご案内

名簿があるということを知れば、登録したい方が多いのではないかと思います。いくつかの自治体の情報を見ましたが、自動で登録されていると、希望しないと登録されないなど、自治体によって違うようです。

お住いの自治体の情報を確認されるといいかと思います

対策推進に関するアンケート(調査対象:地方公共団体)

調査対象は全国の市区町村1,742 団体。アンケート回収状況1,305団体(発送数:1,742団体、回収率74.9%)

災害時要援護者名簿

H25年の段階で67%の市町村で名簿が作られていて、管理は福祉課が多い。

個別避難計画

「個別避難計画」とは、高齢者や障がい者など、災害時に一人では避難することが困難な方(避難行動要支援者)について、誰が支援するか、どこに避難するか、避難するときにどのような配慮が必要かなど、あらかじめ記載したものを「個別避難計画」といいます。引用:板橋区個別避難計画

個別避難計画がある市町村が「ある+作っている途中」を合わせると82%と多い

内閣府の避難行動要支援者の避難行動支援に関することによりますと

  1. 難行動要支援者名簿の作成義務化(平成25年)
    • 東日本大震災の教訓として、障害者、高齢者、外国人、妊産婦等の方々について、情報提供、避難、避難生活等様々な場面で対応が不十分な場面があったことを受け、 こうした方々に係る名簿の整備・活用を促進することが必要とされたことから、平成25年の災害対策基本法(昭和36年法律第223号)の改正により、 災害時に自ら避難することが困難な高齢者や障害者等の避難行動要支援者について、避難行動要支援者名簿を作成することが市町村の義務とされました。
  2. 個別避難計画の作成努力義務化(令和3年)
    • 令和元年台風19号等の近年の災害においても、多くの高齢者や障害者等の方々が被害に遭われている状況を踏まえ、 災害時の避難支援等を実効性のあるものとするためには個別避難計画の作成が有効とされたことから、令和3年の災害対策基本法の改正により、 避難行動要支援者について、個別避難計画を作成することが市町村の努力義務とされました。

実態はどうか

少しずつ福祉避難所はできているようですが、実態はどうなのでしょうか。

最近のニュースから

障害のある方が、一般の避難所で生活することがどんなに過酷かが分かる記事です。

福祉施設の職員さんも被災されている訳ですから、個別計画を作っても難しい場合が多いと思います。閉ざされた福祉施設ではなく、日頃から地域の人との交流を通して知ってもらい、支え合うことが大事なのでしょう。

福祉避難所の開設ができないなど、まだまだ課題は山積みですね。

2023.9.4追記 支援学校を障害児の指定避難所へ

記事によりますと日本小児神経学会が、災害発生時に特別支援学校障害児が優先的に避難できる指定福祉避難所にするよう求める要望書を内閣府や文科省などに提出したとのことです。

障害児という縛りはありますが、いつも通っている学校に避難できるのは前進ですね。

2023.9.29追記 十勝沖地震から障害者の避難訓練

精神障害者の方の事業所での避難訓練の取り組みが、紹介されていました。

  • 十勝沖地震の時に、避難を拒んだ利用者がいた
  • 当時は避難訓練もなかった
  • そこで避難のためのマニュアルを(文字・写真・音声)で分かりやすく作った
  • マニュアルは施設毎に用意する
  • マニュアル作成に当たり、スタッフと専門家が避難経路を歩き注意点を確認する
  • 各地で目印となる場所の写真を撮る
  • 音声での指示は、身近な人の声の方が入りやすい方もいるため、避難経路を録音しておく
  • 実際に全員でマニュアルを確認してから避難訓練をする(役場や消防・警察も参加する)

精神障害の方でも、ここまでの避難計画の工夫が必要ですから、知的障害はもっとではないでしょうか。

知的障害が重い人が多い施設などは、どうされているのでしょうか

あまり情報がなくて見つけることができませんでしたが、記事を2つ見つけました。

東日本大震災の時、入所施設の利用者250人がバスで移動して避難。近くの一般の避難所に行くが、突然の環境の変化に大声を出すなどしたため施設が運営する別の通所施設へ、40人定員のところに250人が避難したため、てんかん発作を起こした方が死亡。11歳の女児が事故死。

40人定員の所に250人!
災害関連死が起こるのは必然ですね

法人側利用側も、福祉避難所がどこにあるのかをあらかじめ知らされていなかったと書かれています。

考察のところ少し載せます。お時間があれば読んでみてください。

そもそも「福祉避難所」は、阪神淡路大震災の際に辛酸を味わった当事者やその支援者から提案されたものであった。そこで想定されていたイメージは次にあげるようなものであった。
当事者の意見を取り入れるべき
本体は地域の避難所に行くのがベストだが、福祉避難所は一般の人と動線が重ならない
③要援護者が過ごしやすい施設を仲間と申し入れた所を避難指定所にしてもらえれば

「福祉避難所」は、車でたどり着けない街外れや、他の人と切り離された特別な枠に囲い込むことではなかったが、東日本大震災で被災した障害者が直面した現実は、施設から施設への、あるいは地域から施設への移送とたらい回しであった。(略)一般の避難所は不変のまま、介助を必要とする重度障害者・高齢者の避難先や居場所だけが変わったのである。

私個人の考えですが、重度の自閉症の方が「一般の避難所」で過ごすのは無理だと思います。
専門の支援者がいなく、構造化や視覚支援がされていない場所は、不安になったりパニックを起こしてしまう可能性が大きい。

特に施設に入所している方が、「福祉避難所」という場所だけを与えられても難しく、別の施設に行かざるを得ないのではないでしょうか。それならば県が中心となって、施設間で個人の特性を共有して、Aの施設の人が避難する時はB・C・Dへ。 Bの施設の人はA・C・Dへと避難訓練をしておくことが現実的に思えます。この場合「報酬の問題」は、国に決めてもらう。非常時ですから、こういうときほど税金を使ってもらえないでしょうか。

また、国は施設を減らす方法に進んでいるので、施設の避難にはそこまで真剣ではないのか。例え将来的に施設がなくなっても、重度の知的障害者はいなくならない訳で「地域へ」というのなら、地域の福祉避難所に、重度の障害者を受け入れる体制を整えていかなればならないのです。そのことを考えているのか疑問が残ります。

知的障害者等を受け入れた3自治体・6事業所への聞き取り調査です。

結果、要配慮者を家族単位で受け入れた福祉避難所は、支援に対する負担感が少なく、要配慮者のみを受け入れた福祉施設は、支援に関する情報が不足支援に苦慮したことが分かった

引用:東日本大震災を通じて福祉避難所の現状と課題

家族と同居していてる場合は、家族も一緒に福祉避難所にいくことで本人も安心できるということです(当たり前のように思います)。家族が一番特性が分かっていますから。福祉避難所によっては障害者だけしか受け入れない規定になっている場合もあるそうですが、そう言われた家族は、福祉避難所であっても行けないと思います。

親ができることは何か

私の個人的な考えを書かせていただきます。親ができることを考えてみました。

地域の避難所を把握

地域の「一般の避難所」は把握されていると思います。「福祉避難所」は、お住いの地域のホームページなどに情報が載っています。

災害時はどこにいるのかも大事ですから、自宅の近くにいるのか、事業所や学校やデイにいるのかによっても避難所は変わってきます。

家族一緒に福祉避難所に行けるかは分かりませんが、福祉避難所の場所は把握しておいた方がいいと思います。

あとは、利用している事業所の避難所の把握(契約書に書いてあったりします)しておく。

  • 娘の利用する作業所の方に聞いたところ、まずは「一般の避難所」に避難するとのこと。
  • 災害時要支援者名簿には利用者の誰も登録されていないという話でした。
  • 市のホームページでは、療育手帳Aと精神1級(hakuは療育手帳B)で、福祉事業所を利用しているのならという記載もあるので、今後名簿には載れそうかなと思います。
  • 災害時は福祉事業所に直接行くのはNGで、一般の避難所を経由してくださいと赤字で書かれている。
  • 福祉避難所の一覧は、老人ホームだけでした。(発達障害や知的障害は想定している?)
    正直不安しかありません。

できること

サポートブックを作る

自閉症の子がいるご家庭の話ではありませんが、あるご家族がコロナ期間中に、家族感染し重症化して救急車を呼んだ時に、隊員の方に「お子さんはかかりつけの大きな病院に通院歴があるのでそこに入院できるが、家族は同じ病院に入院できない」と言われたそうです。後になって「サポートブックを作ってたら渡すことができたのに」という話を聞きました。

コロナ禍もそうですが、非常時は何が起きるか分かりませんから、いつ何が起きてもいいように、サポートブックを作っておこうと思っています。

子ども用の災害用品

子どもと避難することになった時に、薬や安心グッズ(イヤーマフや毛布など)・時間をつぶせるもの(ゲームや充電器)・好きなお菓子などをいつでも避難できるように、準備しておこうと思います。

ゲームやスマホの充電用に、ポータブル電源も買いました。

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災害時コミュニケーション支援ボード

聴覚障害がある漫画家の平本龍之介さんが、2020年7月、福岡県内で線状降水帯が発生し、避難指示が出た久留米市の避難所で聴覚障害者の女性の体験を元に漫画を描かれたという記事を読みました。

平本さんは「聴覚障害者の災害って何かというと、避難しても居場所がない通訳者がいないコミュニケーションがとれない情報があっても聞こえないということ。周りの人とつながれないと感じることは、その場にいること自体がストレスになります。」引用:NHK放送局 漫画で伝える避難所孤独

これはhakuにも当てはまります

そこで平本さんは特に、災害時に交わすことが多いやりとりをまとめて、避難所でも使えるものを作ろうと呼びかけたところ、久留米市と久留米市ろうあ協会も一緒になって「災害時コミュニケーション支援ボード」という新しいツールの作られたそうです。

今はスマホで、絵カードを使ってコミュニケーションがとれるアプリもありますが、災害時は充電が切れるかも知れませんし、充電できるかも分かりません(ポータブル電源があっても浸水で壊れたりとか)。hakuは文字が読めますが、ストレスが高い時は絵の方が入りやすいと思います。子ども用の災害用品の一つとして、コミュニケーションボードも必要だなと気付かせてもらいました。

エコノミークラス症候群とは

一般の避難所に行っても、中では生活できず駐車場の車内で生活される方もいるかも知れません。その場合エコノミークラス症候群に注意が必要です。

エコノミークラス症候群とは、食事や水分を十分に取らない状態で、車などの狭い座席に長時間座っていて足を動かさないと、血行不良が起こり血液が固まりやすくなります。その結果、血の固まり(血栓)が血管の中を流れ、肺に詰まって肺塞栓などを誘発する恐れがあります。引用:厚生労働省エコノミークラス症候群の予防のために 

予防のために
1.ときどき、軽い体操やストレッチ運動を行う
2.十分にこまめに水分を取る
3.アルコールを控える。できれば禁煙する。
4.ゆったりとした服装をし、ベルトをきつく締めない
5.かかとの上げ下ろし運動をしたり、ふくらはぎをもんだりする
6.眠るときは足を上げる などを行いましょう。

社会に働きかける

結局のところ、重度の自閉症の方の避難所はないに等しいと分かりました。
選挙に行ったり、親の会などを通して政治に訴える。または、どの地域ににもある「自立支援協議会」や「政策推進協議会」の障害政策を議論する会に伝えていく方法もあるかも知れません。

下の本で紹介したところを引用します。

  • 私たちが今、あたりまえのように享受している各種の公的サービスも、その実現のために奔走し、汗を流した多くの人たちの力によって生み出されてたものに違いないと思います。
  • 社会において先駆的なものを作り上げようとする時、その初期の段階では志のあるボランティア的な活動が先行し、後に行政がその価値を認めて支援するとい順序になることが多いようです。
  • 無理に行動できなくても「関心を持ち続けること」だけでも立派な活動です。あくまでも「余力のできた人」「やる気のある人」が「やれる範囲」でいいから、少しでも多くの人が、社会や他の問題に直面する人への関心を持ち続けていけるといいなと思います。
    • 「敵」にしか見えなかった、役所の人や教育委員会の人の中に、意外な理解者を発見することもあるかも知れません。
  • 自分の立場で、つまるところ「我が子のため」だけでもいいから、よりよい環境を作ろうとすることが、後に続く人々を励まし支え、社会全体のレベルを底上げし「弱者にとって暮らしやすい」=「誰にとっても暮らしやすい社会」を作ることにつながると思います。

関心を持ち続けていきたいです

まとめ

今回は知的障害者と福祉避難所について書かせていただきました。

まだまだ不十分な福祉避難所ですが、被災してから地域の実態を知るのと、はじめから知っておくのとでは全く心持ちが違うのではないかと思います。

東日本大震災の時、成人の知的障害者の方が避難されてきた施設で、支援者だった方のコラムを見たことがあります。避難してきた夜、障害者の方の一人が廊下の窓のから夜空を見ていた。小さい声でしばらく「ママ・パパ」と泣きながらつぶやいていた。この方のご両親がご健在かは分からなかったが、私たちより不安や寂しさは人一倍あるだろうとつづられていました。

災害や災害関連死で亡くなる障害者の方が、いなくなることを心から願っています。

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